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[会社法]役員と株主
- Q511.役員報酬はどのように決めればよいのでしょうか?
- 当社は、創業2年の会社です。事業が軌道に乗るまでは、創業時に決めた役員報酬(10万円/月)でやってきました。最近になり、事業も軌道に乗ってきたので、役員報酬を増額しようと思っていますが、どのように決めればよいのか分かりませんので、アドバイスをお願いします。ちなみに当社は取締役1名の株式会社で、私が100%出資しています。
A.貴社の場合、形式的にはあなた1人で役員報酬の増額を決めることができます。ただし、増減は期首に行うようにしてください。また、適正な金額を決めるポイントとしては、自社の事業計画、業界の平均値、従業員との関係などを考慮するとよいでしょう。
【役員報酬変更の手続き】
役員報酬を変更する場合は、原則として株主総会の承認が必要になります。役員報酬の変更議案を株主総会に提出し、普通決議で可決すればよいことになっています。
なお、報酬の金額そのものを決めてもよいですし、具体的な金額は決めずに、報酬の算定方法を決めても構いません。
もう一つのやり方として、定款に役員報酬に関する規定を盛り込んでおく方法があります。全取締役の報酬総額の最高限度額を定めてしまうやり方です。この方法を選択すると、最高限度額内であれば、取締役会決議により、各人の報酬を決められるメリットがあります。ただし、最高限度額自体を変更しようとした場合は、定款の変更が必要になりますので、株主総会の特別決議が必要になります。
注意していただきたいのは、期中に役員報酬を増減させることはやめるべきということです。つまり「今期は大きな黒字が出そうだから、来月から役員報酬を増やして、利益を圧縮しよう」ということはできないということです。もしやったとしても、税務当局からその増加分に関しては否認され、経費として認められないことになるでしょう。
よって役員報酬を変更するときには、期首に行うようにしましょう。
【1人会社の手続き】
では、貴社のような1人会社の場合の手続きについて見てみましょう。
貴社の場合、取締役会は存在しませんので、自動的に株主総会で役員の報酬を決めることになります。しかし、あなたは取締役であり、同時に大株主です。あなたが提出した議案が否決されることは考えられません。つまり、あなたが適正だと考えた報酬を議案として提出し、あなた自身が承認するということになります。
株主総会は、形式的なものになるかもしれませんが、税務調査など、役員報酬変更の経緯について、第三者に説明することが必要になることがありますので、きちんと議事録を残しておいてください。
【適正な報酬金額】
適正な報酬金額については、人それぞれさまざまな考え方がありますので、一概に公式にあてはめて算出するようなことはできません。一般的に考慮すべきポイントを、以下にまとめました。
最初に考慮すべきことは、会社にお金がなくなってしまうような報酬金額を設定してはならないということです。役員報酬の変更は、期首に行うべきである、ということは翌年度の事業の見通しに応じた金額を設定する必要があるということです。事業計画を作成し、その計画に見合った報酬を受け取るようにしましょう。
次のポイントは、世間相場です。市販されている役員報酬に関する統計資料を参考に、ご自身の報酬を決めるやり方です。平均値だから適正ということではありませんが、一つの目安にはなるかと思います。
そして最後に考慮すべきポイントは、従業員とのバランスです。従業員のボーナスをカットしているような状況で、自分の報酬だけ増額するようなことがあれば、従業員の心は離れていくでしょう。ひいては、それが会社の業績を悪化させることにつながっていきます。
経営者は、従業員に比べれば比較にならないほど大きなリスクを背負っていますので、従業員よりも報酬が高いこと自体はおかしいことではありません。問題は、従業員から自分がどのように映っているかということです。自分たちは搾取されていると従業員が思ったら、モラルは大きく低下するでしょう。逆に、社長が食うにも困るような生活をしていたら、従業員はその会社に将来性を感じなくなるでしょう。
従業員の社長を見る目はシビアです。自身の報酬を決めるときには、従業員の目にどのように映るのかということを考慮に入れてください。
- 回答者
- 中小企業診断士 遠藤 康浩
2008年8月15日更新
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