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[会社法]役員と株主

Q506.株主代表訴訟について教えてください。
当社の株主は役員だけでしたが、このたび複数のエンジェル※に第三者割当増資を引き受けてもらうことになりました。エンジェルたちに対する経営責任を感じるとともに、エンジェルたちからの株主代表訴訟についても気になります。そこで、株主代表訴訟について教えてください。

A.会社法において、株主代表訴訟は「株式会社における責任追及などの訴え」とされています。役員などがその職務上注意を怠り、会社に損害を与えたときに、株主は損害賠償責任の訴訟を起こすことができますので、会社として意思決定プロセスの透明化・ガバナンス強化などに留意することが必要です。

【株式会社における責任追求等の訴え】

株主代表訴訟は、会社法では第847条の「責任追及の訴え」にあたります。

役員など(取締役、会計参与、監査役、執行役または会計監査人)が任務を怠ったときに、株式会社に対して損害賠償責任を負います。具体的には、取締役などの過失により株式会社に損害が発生し、6カ月前から引き続き株式を有する株主が当該株式会社に対して、役員などの責任を追及する訴えの提起を請求したにもかかわらず、その損害に対して株式会社が60日以内に責任追及などの訴えを提訴しない場合、株主が株式会社のために責任追及等の訴えを提起することができます。

【役員などの第三者に対する損害賠償責任】

役員などが職務を行うことに関して、悪意または重大な過失があったときは、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負うことになります。

【責任追及等の訴え(株主代表訴訟)提起に対する制限の明文化】

会社法では、「責任追及等の訴えを提起した株主が、自己もしくは第三者の不正な利益を図りまたは当該株式会社に損害を加えることを目的とする場合には、責任追及等の訴えを提起できない」定めになっています。

これにより、総会屋などの「不当に利益供与を得る目的での責任追及の訴え」を排斥することが可能になりました。

貴社の場合には、エンジェルがどのような人物なのか見極めてから出資をしてもらうという配慮が必要です。

【不提訴理由の通知制度確立】

株式会社が株主から取締役などに対して責任追及等の訴えを提起することを求められたとき、60日以内に取締役などの責任追及の訴えを提起しなかった場合には、当該請求をした株主にその理由を書面そのほかの法務省令で定める方法により、通知しなければなりません。同じ会社の身内をかばうために、根拠なく不提訴とするという行為は許されません。

【株主でなくなった者の訴訟追行】

責任追及等の訴えを提起中に当該株式会社の株主でなくなった場合でも、以下の場合は訴訟追行が可能です。

  1. 当該株式会社の株式交換・株式移転により、当該株式会社の完全親会社の株式を取得したとき
  2. 当該株式会社が合併により消滅する場合、合併により設立する会社または合併後の存続会社もしくはその完全親会社の株式を取得したとき

【株式会社に対する損害賠償の免除】

役員などの株式会社に対する損害賠償責任は、総株主の同意がなければ免除することができません
 株主のなかで1人でも同意しなければ、責任を免除してもらうことはできません。

エンジェルなど新たな株主が増えることを機に、重要な意思決定は社長1人の独断ではなく役員会で決定するなど、

  1. 意思決定プロセスの構築
  2. 規程類の整備
  3. 議事録の整備
  4. 内部統制の仕組み構築

などガバナンスの強化を図っていくことをお勧めいたします。

また、不安であれば、役員賠償責任保険の加入などを検討してもよいかもしれません。

※エンジェルとは
 創業初期や成長期にあるベンチャー企業に対し、資金提供をする個人投資家のことで、資金提供だけではなく広い人脈や経験などを活かした事業支援を行う場合もある。

関連情報
<新会社法の概要>(日本公証人連合会)
http://www.koshonin.gr.jp/kaga.html
回答者
中小企業診断士 石井 浩一

2016年3月17日更新


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