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[会社法]会社設立

Q490.会社設立時における類似商号の調査が本当に不要かどうか教えてください。
会社法では会社設立時に、以前は必要とされた類似商号の調査が不要になったと聞きました。これまでは必要だったのに、今後は同じ商号が氾濫するのではないかと疑問に思っています。これらの意味やポイントについて教えてください。

A.ご質問のとおり、会社法においては、会社設立時の類似商号調査は不要になりました。ただし、既存の他社と同じ名前で会社を設立してもよくなったという意味ではなく、不正競争防止法による差し止め請求や賠償請求のリスクがあるので、商号については自己責任が強く求められるようになったといえるでしょう。

従来は、会社設立において同一市区町村で同一事業を営む場合、既存の商号と同じ、もしくは類似の商号は登録できませんでした。このため、会社設立だけでなく本店などを移転させる場合にも、その同一市区町村に同一・類似商号の会社がないかどうかを調査する必要がありました。これは、狭い町村であればまだしも、広大な市区の場合にはかなりの時間やコストがかかる調査です。このことが、会社設立の手続きの長期化にもつながっていると以前から問題視されていました。

また、近年の企業活動においては、1つの市区町村を超えて全国規模で営業展開しているケースが多数見られます。インターネットの普及に伴い、中小企業においても全国展開することが、特別なことではなくなってきました。このことから、従来のように同一市区町村における類似商号規制があまり意味をなさなくなってきていました。この弊害をなくし、会社設立をスピーディにするために、会社法施行後においては類似商号規制が撤廃され、同一市区町村であっても類似商号が使用できるようになりました。ただし、同一の住所での登録はできません。

その一方で、不正目的での商号使用を牽制するために、会社法の第8条では既存の会社から商号の使用停止を求められるリスクのあることが指摘されています。また、不正競争防止法においても、商号使用の差止請求や損害賠償請求、信用回復措置などについて細かい規定がされています。つまり、商号使用についての自由度は高まったものの、同時に自己責任での運用が求められることになったわけです。ですから、ご質問にあるように同じ商号が氾濫する可能性は現実には低いと考えられます。

また、万が一、類似商号を使用されていることが分かった場合には、上記の差止請求や損害賠償などの手法で自社の商号を守ることもできます。事前に特許庁に商標登録をしておくという手もあるでしょう。
留意点としては、次の2点があげられます。このことを行っておくと安心でしょう。

  1. 同一住所での同一・類似商号登録は認められていないため、同一住所に複数の企業が入居しているインキュベーション・オフィスなどでは、商号確認を事前に行うこと。
  2. 将来的に商号の使用差止請求や損害賠償請求をされるリスクを回避するためにも、管轄の法務局や登記所などで類似商号の確認をしておくこと。
関連情報
<Q096.会社名を付けるときに気をつけることとは?>(J-Net21)
http://j-net21.smrj.go.jp/well/qa/entry/096.html
回答者
中小企業診断士 金城 順之介

2008年8月 6日更新


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