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リスク管理
- Q398.食品のトレーサビリティシステムを構築する際の留意点を教えてください。
- 当社は、地方の特産品を製造販売している食品メーカーです。最近、大手百貨店や量販店から取引の引き合いがきていますが、その際に製品に関してトレーサビリティの確保、情報提供を求められています。どのようなシステムをつくればよいのでしょうか。
A.まず、原料規格、製品規格、製造標準など基本情報を整備してください。次に、これらの情報が一元管理できるように、関連付け品質保証システムを整備します。その際、どの程度までソフトとしてシステム化するかを会社の方針として決定し、システムを構築してください。
これまで食品分野では、HACCPやISO9000 シリーズなどの導入により、食品の衛生・安全性や品質の管理に取り組んできました。しかし、BSEの発生や偽装表示事件などにより、消費者の食品に対する信頼が揺らぎ、生産・流通の履歴が明確にされた食品の供給への消費者の要望が高まっています。
このため、生産・製造・流通の各分野で食品の安全性確保対策のいっそう充実・強化が求められています。このような中で、消費者に食品の履歴に関する情報を積極的に提供し、消費者が安心して食品を購入できるようにし、食品事故が発生した場合にもその製品回収を容易にするとともに、食卓から産地まで顔の見える関係の構築にも資するトレーサビリティシステムの構築へのニーズが強まってきています。
※トレーサビリティとは?
生産、処理・加工、流通・販売などの段階で、食品の仕入先、販売先、生産・製造方法などの記録をとって保管し、食品とその情報を追跡してさかのぼることができること。
農林水産省では、食品の中でも生鮮食品の原産地を明確にするための表示方法として、生鮮食品品質表示基準を平成12年に制定しました。さらにその中でも牛肉については、平成15年に「牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法」が制定され、牛肉を購入する消費者が、牛の飼育履歴情報をバーコードにより簡単に入手できるようになりました。
このような動きは生鮮食品だけではなく、加工食品へも広がり、大手量販店や百貨店などは、メーカーにこれらの食品の原材料に関する情報などがいつでも入手できるシステムの導入を要求してきています。
このようなシステムを、コンピュータのソフトとして提供しているベンダーも多くあります。これらのシステムは、原料情報をサーバーにデータベースとして蓄積し、製品出荷時に使われている原材料情報と関連付け、製品ロットごとに簡単に抽出・出力ができます。
ただし、このようなシステムを導入しようとすると数千万円規模の費用がかかり、またこれらのシステムに慣れ、問題なく稼働させるためには数カ月もの時間が必要となります。これらの費用面、期間面での負担を考えても、将来的なトレーサビリティシステムが必要と判断されれば、導入する方がよいと思います。しかし、自社の経営力、顧客のニーズを十分把握したうえでの判断が必要となります。このようなシステムを導入するためにも、まずは、品質保証システムの整備が重要となります。
現行の品質保証システムで、どこまで対応できるかを検討してみてください。高価なシステムを導入しても、自社の状況に適合しない点があったり、これまでよりも手間がかかってしまっては、導入した意味がありません。
品質保証システムは、製品規格、原料規格、製造標準など基本的情報が揃っていることが前提になります。そして、これらの情報を一元管理できるように関連付けていきます。その際には、パッケージシステムの利用や、ベンダーへの発注など方法はいくつかあります。また、製品数によっては、紙ベースでの管理でも可能です。
以上のことから情報の整理、分類、関連付けをもとにどの程度までシステム化するかを会社の方針として決定し、システムを構築してください。
- 関連情報
- <トレーサビリティ関係>(農林水産省)
http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trace/index.html - <食品表示とJAS規格>(農林水産省)
http://www.maff.go.jp/j/jas/ - 回答者
- 中小企業診断士 大寺 規夫
2010年12月13日更新
リスク管理
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