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リスク管理
- Q387.主要取引先の経営がもし悪化したら、どのように対応すればよいですか?
- コンピュータゲームの開発を請け負っています。慢性的な人手不足で、取引先開拓ができません。現在6社と取引していて、主要な受注先は1社です。万一、取引先が倒産しても事業に大きな影響がでないように、事前に対策をとっておきたいのですが。
A.信用リスク管理の基本である取引先の信用調査を実施し、かつ取引の分散と取引額の制限を検討しましょう。また、万一、取引先が倒産した場合に備えて、貸倒引当金を積み債権保全を図り、さらに倒産防止共済制度に加入しておくなど、国の施策も利用しましょう。
主要取引先が、偏り過ぎていると、その取引先の業績によって自社の事業が大きく影響されることになり、ひいては連鎖倒産のリスクが増大します。ではどのような対策をとればよいかについてご説明します。
信用リスク管理の基本は、取引先の信用リスクを調査し、リスクのある相手とは取引をしないようにするというものです。しかし、ご質問のケースのように主要取引先が偏っている場合、簡単には取引を停止できません。
そのような場合は、まず「取引の分散」を検討してください。
6社と取引があるのでしたら、その中の残りの取引先に対して、信用力に応じた取引拡大を申し入れることを検討してください。また、新規取引先の獲得によって販売先を分散することがリスク低減につながる可能性があります。
一般に、銀行も貸出先の融資審査の際に、特定販売先への集中度や販売先の信用度、系列関係の強弱などを調べて検討しています。つまり、銀行に借入を申し込む時にも、実質1社取引という事実は不利に働くということを留意しておいてください。
次に、「取引額の制限」についてご説明します。一般に「与信枠」とか「クレジットライン」と呼んでいますが、取引先ごとに取引限度額を設けるということです。もちろん、売上高の確保という問題と密接にからんできますので、取引の重要性や信用力に応じて総合的に判断する必要があります。無制限に取引を拡大することにはリスクがつきまとうものだということを認識してください。なお、この与信枠は定期的に見直すことも重要です。
万一、取引先が倒産した場合、事業に与える影響を最小限にするためには、「貸倒引当金」を計上しておくこと、担保や保証を要求して「債権保全」を図っておくことも一つのやり方です。担保には、不動産や有価証券などがあります。
取引先に担保など要求できないという場合には「回り手形」、つまり取引先がそのさらに先の販売先から受け取った受取手形に裏書をした手形によって支払を受けることが有効なこともあります。これは、取引先が倒産しても手形の振出人さえ不渡りを出さなければ、手形は決済されるからです。ただし、逆に振出人が倒産した場合は、口座入金した銀行からいったん手形を返してもらったうえで(手形割引をしている場合は、買い戻したうえで)裏書人の一人である取引先に手形の決済を請求する(これを手形の遡求と言います)ことになるため、手形振出人の信用力などにも注意が必要です。
また、取引先が倒産して資金繰りが逼迫した場合に備えて、倒産防止共済制度に加入しておくことをお勧めします。
倒産防止共済制度には、1年以上継続して事業を行っている中小企業者なら誰でも加入できます。掛金は5,000円から8万円の範囲内で設定でき、万一の場合には不良債権となった額かまたは積み立てた掛金の10倍か、いずれか小さい方の金額の貸付が受けられます。さらに、掛金は全額損金算入できますので、節税対策にもなります。
そのほかにも、政府系金融機関には、セーフティネット貸付と呼ばれる社会的・経済的環境の変化などの外的要因によって影響を受けた中小企業者が利用できる緊急経営安定対応貸付の制度があり、信用保証協会が講ずるセーフティネット保証(経営安定化関連保証制度)などもあります。
また、全国の主要な商工会議所および各都道府県商工会連合会には、経営安定化特別相談室が設けられていますので、必要なときには活用してみてください。
- 関連情報
- <中小企業倒産防止共済制度>(中小企業基盤整備機構)
http://www.smrj.go.jp/tkyosai/000771.html - <セーフティネット貸付>(国民生活金融公庫)
http://www.kokukin.go.jp/yuushi/already/tyuusyo/
spsearch/safty/index.html - <セーフティネット保証制度>(中小企業庁)
http://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/sefu_net_gaiyou.htm - <経営安定対策について>(中小企業庁)
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/antei/taisaku_info.html - 回答者
- 中小企業診断士 岩佐 大
2007年8月31日更新
リスク管理
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