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リスク管理

Q385.お客さまから異物混入などのクレームを受けたときの対応について教えてください。
飲食店を経営していますが、どうしても異物混入をゼロにすることができません。しかし、クレームを入れてくるお客さまの中には悪質な人もいるため、その対応に頭を悩ませています。もちろん、誠意をもって対応はするのですが、どこまで対応し、どこまでお断りするのか、その基準も分かりません。

A.異物混入をなくすために、いま一度基本に立ち返り、お店の清掃面、衛生面などを見直しましょう。また、悪質なクレームへの対応については、適切な「初期対応」を行ったうえで、そのケースに応じて毅然とした冷静な対応が必要となります。

今回は、一般的なクレームへの対応につきましてはご理解いただいているものとして、異物混入をなくすための取り組みについて、また、悪質なクレームへの対応について2つの視点から回答します。

【異物混入をなくすための取り組み】 

まず、異物混入をなくすための取り組みについてですが、いま一度基本に立ち返り、お店の清掃面、衛生面などを見直すことが必要です。一つのクレームが「悪いうわさ」として広まることの恐ろしさは容易に想像できるでしょう。とくに飲食店は、おいしい商品を提供するだけではなく、その食事を楽しむ雰囲気自体を提供するビジネスと言えます。そのため、お客さまの気分を害することは、商品以上に重要な「楽しい食事の雰囲気」を壊すことになります。

すでに対策をしているからと油断することなく、まずどのような異物がどのような原因で混入するのかを究明するとともに、5S「整理・整頓・清掃・清潔・躾」にどのように取り組んでいるか、必ず自社の姿勢を見直してみてください。身だしなみ、髪型、ユニフォームや身に付けているものを鏡の前で必ずチェックするなど、毎日の取り組みを徹底しましょう。

【悪質なクレームへの対応】 

次に、悪質なクレームへの対応についてですが、この判断は確かに難しいところがあると思います。もともとクレームを言うことが目的となっているケースもありますが、クレームへの対応の悪さがお客さまの感情を害し、その結果として悪質なクレームに見えているケースも少なくないからです。

クレームでもっとも大切なのは、「初期対応」です。しかし、スタッフの中にはクレームが起こるとどうしても自分が被害者だと勘違いしてしまうケースがあります。そうしますと、お客さまへの態度がぞんざいになったり、対応が遅くなったりしてしまうことがあります。まずは、現状の確認、誠意あるお詫び(もちろんスタッフだけではなく責任者としてのお詫びも含む)、迅速な商品のお取替え、食事の雰囲気を変えるためのデザートの提供などで対応しましょう。一般的には、そのお支払いはいただけないと考えられます。

基本的には、お客さまが混入したと断定できない限り、店側の責任となります。誠意あるお詫びとともに、すぐにその商品をお預かりし、原因究明と再発防止を行いましょう。そして、クレームへの対応に不備がないか、お客さまがお帰りになるときに最終的には満足が得られているか、クレームへの対応姿勢に問題がないかを確認してみてください。

さらに、悪意あるクレーマーではないか見分ける方法の例として、「出したお金よりも多くの金銭などを求めるケース」があります。商品の代金や見舞金以上に「迷惑料」などを請求されたり、必要以上に「社長を出せ」などという言葉を使う場合がこれにあたります。まずは落ち度なく適切に対処したうえで、なお金銭を要求された場合には、安易にお金で解決しようとせずに毅然とした対応が必要となります。

また、「店に対する嫌がらせのケース」もあります。あなたの誠意ある謝罪に対し、まったく聞く耳をもたなかったり、人の揚げ足を取り、何度も同じような質問を繰り返す場合には、率直に何を要求しているのかを聞いてみるとよいでしょう。

ただし、あくまでも当方のクレーム対応に落ち度があってはなりません。最初は悪意をもっていなかったお客さまが、対応の不手際から悪意をもってしまうことも十分考えられるからです。そして、当方に落ち度がないにもかかわらず、悪意あるクレーマーに対しては、毅然とした冷静な対応を行うことが必要になるでしょう。

しかし、このように異物混入が繰り返されるということは、やはり店内の衛生管理上、大きな問題があります。万一、食中毒などを起こした場合には、保健所から営業停止処分を受けるということもあります。一度営業停止処分を受けると、お客さまの信用を一瞬にして失い、企業の経営として致命的な打撃を受けることになります。

製品の製造・販売事業者には、製造物責任(PL)が課せられています。これは、製造・販売商品の欠陥によって、その消費者や第三者が生命・身体または財産に被害を被った場合、その製造・販売に関与した事業者が、被害者に対して負うべき法律上の損害賠償責任のことを言います。商品を提供する企業側の責任として早急に再発防止対策を講じるとともに、中小企業用のPL(製造物責任)保険などに加入するなど、日頃からリスク管理に努めてください。

回答者
中小企業診断士 安田 裕美
株式会社 ヒューマン・リスペクト

2007年8月31日更新

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