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Q384.新規取引先の信用力を調査するにはどうしたらよいでしょうか?
アジア、ヨーロッパの家具の輸入販売を始めて3年目です。初めは店舗販売とネット通販だけでいけると思っていましたが、売上が伸びません。ネットを見たといって大口取引を提案される卸売業者もいるのですが、仕入ロットが大きいので、運転資金を借り入れなければなりません。商品取り込み詐欺の心配もありますし、確実に回収したいのですが、どうやって新規取引先の信用力を調査したらよいでしょうか。

A.前受金取引とするなどの取引方法や金額を制限すること、決算書類・会社案内・商業登記簿謄本などの資料で検討すること、実際に相手先を訪問すること、などを実行するほか、外部の信用調査サービスも利用しましょう。

インターネットによる販路拡大には、取引相手の信用力が分からないという問題がつきものです。新規取引先との取引開始にあたって、どういう点に注意すべきかご説明します。

【取引を制限する】

(1)取引方法

B to B(企業間取引)の場合、受注⇒納品⇒検収⇒請求という流れで、売上の締め日から支払日までが売掛金となり、支払日に振込みや小切手を受領するか、または手形を受け取るのが一般的です。そこで手形取引を行わない取り決めとしたり、代金引換納品または前受金取引としたりすることで、売掛債権を発生させなければ、決済リスクは生じません。最初はこれらの取引条件でスタートする方法があります。ただし、1回や2回の取引が無事に決済されたからといって安易に取引を拡大するのは考えものです。

(2)取引金額

一般的には、新規取引は小額から開始するケースが多いと思われます。

この際、注意したいのは、相手先の企業規模ではなく、あなたが仕入や加工に必要とする資金繰りの規模が重要だということです。ご質問のケースのように、借入を増額する必要がある納入ロットの場合は、十分にリスクを検討すべきです。

【資料で検討する】

(1)財務状況

取引開始にあたっては、取引先ごとの与信管理ファイルを作成することをお勧めします。なかなか与信管理まで手が回らない企業も多いのですが、ファイルをつくるだけでも意識が変わります。財務状況を調べるには、決算書類が必要です。できれば2〜3年分の納税申告書コピーをもらってファイルに保管してください。ここでは専門的な数値分析は割愛しますが、簡単なチェックポイントをあげてみます。

  1. 儲かっている会社は概して決算にゆとりがあるのでチェック
    1. 売上/利益が伸びていて、適正な配当をしている。
    2. 減価償却費や各種引当金が適正に計上されている。
    3. 資産の含み損などを特別損失で処理している。
    4. 繰延資産が過大ではない。
  2. 堅実な会社は概して資金繰りに余裕があるのでチェック
    1. 現預金が多い(または流動資産が流動負債より相当多い)
    2. 優良銘柄の受取手形を割り引いていない
    3. 支払手形が売上の割に極端に増えていない
    4. 借入金が少ない(または自己資本÷総資産=自己資本比率が相当高い)
  3. 正直な会社は書類にウソがないのでチェック
    1. 税務申告書に税務署収受印がある
    2. 決算書の当期利益と税務申告書の当期利益が一致している
    3. ・納税申告書別表四の所得の減算項目に内容不明なものがない
    4. 売掛債権や棚卸資産が売上の割に極端に増えていない
    5. その他流動資産のような「その他科目」が過大ではない
(2)会社の概況

会社案内求人パンフレットなども要請し、相手先の内容把握に努めてください。また、内容の分からない新規取引先と大きな取引を開始する場合は、商業登記簿謄本を取ることもお勧めします。いわゆる「パクリ屋」など悪意のある相手先は、かつて倒産した休眠会社を使うこともあるからです。謄本で、本社移転、代表者や事業目的の大幅な変更などが判明したら注意してください。

【実際に会ってみる】

取引の内容によっては、やはり現地を訪問して相手先の業況を確認するくらいの慎重さが必要です。レンタル・オフィスや秘書代行サービスを利用する企業もあるので、一概には言えませんが、社員がヒマそうにしていないか、通路などに余剰在庫を積み上げていないか、逆に企業規模から見て変に事務所が立派すぎないかなどは行ってみて初めて得られる情報です。

また、販売する商品の販路や用途についてもよく確認し、取引の流れを把握してください。たとえば売上の帳票類や販売先の名刺、パンフレット類などを見せてもらい、取引の裏付けが取れればベストです。もちろん、相手先の社長や担当者が信用できる人物かどうかが、もっとも大切な事柄の一つです。そこから先は、ご自身の判断に任せるしかありませんが、たとえば、高級料理店でお酒をごちそうになってすっかり意気投合して、価格交渉もなしに一晩で大口の取引が成立などといううまい話には、逆に慎重になるくらいの心がけが必要でしょう。

なお、全国の商工会議所などで企業の信用調査サービスを利用することもできますので、ぜひ活用してみてください。

関連情報
<海外・国内企業信用調査サービス>(東京商工会議所)
http://www.tokyo-cci.or.jp/soudan/shinyou/
回答者
中小企業診断士 岩佐 大

2007年8月31日更新

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