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人事制度と労務管理

Q193.ホワイトカラー・エグゼンプションとは何ですか?
ホワイトカラーの自律的な働き方として「ホワイトカラー・エグゼンプション」という言葉を知りました。この「ホワイトカラー・エグゼンプション」とはどのようなもので、経営にはどのように影響してくるのでしょうか?

A.成果主義の普及拡大やモバイルワークの拡大化傾向を背景に、従来の労働時間の施策に加え、日本版「ホワイトカラー・エグゼンプション」の導入が、平成18年末から労働政策審議会で審議されましたが、平成19年1月には時期尚早との判断で、国会への法案提出は見送られ、現在は制度として導入されていません。

ホワイトカラー・エグゼンプションとは、アメリカにおける労働時間規制条項を、一定のホワイトカラーを対象に適用除外するという制度です。アメリカの公正労働基準法には、労働時間が週40時間を超えたら1.5倍の割増賃金を支払うという条項がありますが、これを除外するというものです。

アメリカの労働時間法制には、日本のような法定労働時間という概念はなく、単に週40時間を超えたら割増賃金を支払うことのみ定めています。日本の場合には、法定労働時間を超えて労働させること自体を禁止し、いわゆる36協定を締結し、所轄労働基準監督署長へ届出をすることにより、罰則の適用を免れることができるとしており、この点において、アメリカとは相違しています。

日本の労働時間法制は、いままでも、フレックスタイム制、1ヵ月単位、1年単位などの変形労働時間制、専門業務型・企画業務型の裁量労働制などにより、労働時間の柔軟化を図ってきたところですが、

  1. 成果主義賃金制度などの導入が拡充傾向にあることやモバイルワークの拡大により、労働時間と非労働時間の境界がますます曖昧となっていく可能性が強まっていること
  2. 労働者サイドは多様な働き方、柔軟な勤務時間、裁量性の拡大や仕事と生活の調和の実現を求めていること
  3. 企業サイドは高付加価値の創造や労働意欲の増大を、労働時間制度に求めていること

から、労働時間法制は、労働契約法制とともに見直しが行われているところです。

具体的には、自律的労働にふさわしい制度の創設について検討が進められており、その中では、対象とする労働者は、「年収900万円以上」、「企画・立案・研究・調査・分析の5業務に限る」と定められています。また、物の製造の業務に従事するものは適用除外とし、対象労働者数を全従業員の一定割合に制限するといったことも定める予定です。

この制度の対象者には、休日と年次有給休暇は適用されますが、従来の管理監督者と同様に、時間外労働、休日労働については割増賃金の支払いは必要なくなり、深夜業についても割増賃金は不要となります。

このような動向を受け、従来の管理監督者の範囲などについても見直しが行われる可能性もあるため、管理監督者の範囲とその役割、職責などを見直すとともに、柔軟な働き方に対応できる人事評価制度を設けるなど、社内体制を見直していく必要があります。

しかし、平成19年8月現在、国会への法案提出はされておらず、今後の制度の導入については未定となっています。

従業員が自律的に働くことのできる環境を整備するとともに、メンタルヘルスに留意し、従業員のモラルを向上させていきましょう。

関連情報
<労働契約法制及び労働時間法制に係る検討の視点>(厚生労働省:労働政策審議会労働条件分科会)
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/04/s0411-2a.html
<労働契約法制及び労働時間法制の在り方について(案)>(厚生労働省:労働政策審議会労働条件分科会)
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/06/s0613-5a.html
回答者
社会保険労務士・中小企業診断士 大塚 昌子

2007年8月31日更新

人事制度と労務管理


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