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人事制度と労務管理
- Q191.アウトソーシングを活用する場合の労務面での留意点について教えてください。
- 当社は製造業ですが、事務部門には派遣社員が勤務し、工場では構内下請業者が製造の一部を担当しています。労務面でどのような点に留意すればよいか、教えてください。
A.アウトソーシングを活用する場合には、行ってもらう業務について吟味し、秘密保持など保全措置を講じましょう。また、リスク管理については、事業者としての安全配慮義務を問われる場合があるので、アウトソーシング部門を含めて配慮していくことが必要です。
人材に対する企業側のニーズとしては、即戦力化できる人材が欲しいとか、社会保険料の負担を軽減させるために、アウトソーシングを活用したいといったものがあります。
長期的な視点から見れば、会社の企業風土や蓄積してきたノウハウをいかに受け継いでいくかという課題があり、企業のなかでじっくりと従業員を育成していく必要がありますが、総人件費の削減も考えていかなければなりません。
自社に蓄積されたノウハウやコアとなる技術に関連する業務は社内に残し、付帯業務はアウトソーシングするとよいでしょう。その際、付帯業務でもノウハウが流出してしまう可能性があるので、秘密保持契約など保全措置を講じる必要があります。
派遣社員や構内下請業者を活用する場合の留意点としては、以下のことがあげられます。
【派遣社員についての留意点】
派遣社員の安全配慮面に関する責任は、基本的には派遣元にあります。派遣の場合、労災保険を含め、社会保険は派遣元での加入となります。ですから、労災事故があった場合にも、派遣元において手続きを行うことになります。しかし、労災事故についての報告義務は、派遣先にもあります。所轄の労働基準監督署に「労働者死傷病報告」を提出しなければなりません。
また、労災事故の原因が派遣先施設の欠陥によるなどの場合には、派遣先は労働安全衛生法違反に問われる場合があります。
さらに、災害にあった派遣労働者の訴えにより、労災保険の補償には含まれていない慰謝料などの民事上の責任を追及される可能性もあります。
このように、派遣社員の労働に関する基本的な契約関係は派遣元との間にありますが、派遣先も責任を問われる場合があるので、留意する必要があります。
【構内下請業者についての留意点】
構内下請業者の場合には、基本的に外注と判断されるので、ご質問のケースのように仕事を依頼している場合は、人事労務面での責任を追及されることはありません。
しかし、これもトラブルがあった場合には、契約の形式にとらわれず実態で判断されることになります。構内下請業者の従業員についての労災事故は、構内下請業者において手続きを行いますが、実態として、元請企業が下請業者の従業員を指揮命令し、使用する設備や工具の区別や元請企業の従業員と構内下請の従業員の作業内容の区分などが明確でない場合には、安全配慮義務を問われ、損害賠償請求をされる場合があります。
アウトソーシングを選択するかどうかは、それぞれの具体的な場面で決定していくものですが、リスク管理においては、アウトソーシングも含め、管理していくことが望まれます。
- 回答者
- 社会保険労務士・中小企業診断士 大塚 昌子
2007年8月31日更新
人事制度と労務管理
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