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人事制度と労務管理

Q190.労働安全衛生マネジメントシステムとは何ですか?
工場における災害を未然に防止するために、何かシステムを導入したいと考えており、最近「労働安全衛生マネジメントシステム」という言葉を知りました。この「労働安全衛生マネジメントシステム」とはどのようなものですか?

A.労働安全衛生マネジメントシステムは、経営トップが方針を表明し、PLAN(計画)、DO(実施)、CHECK(評価)、ACT(改善)というサイクルを、全社で継続的に実施するものです。生産現場の環境変化や人的な課題に対応していく有効なシステムです。

最近の労働災害の発生状況は、長期的に減少傾向にありますが、1度に3名以上が被災する重大災害の発生件数は、増加傾向にあります。この要因としては、生産現場における生産工程が多様化、複雑化しており、そのリスクがどの程度なのかについての洗い出しが十分に行われていないことや、新しい機械や化学物質が次々と導入され、それを実際に使用する従事者が、どれほどの有害性や危険性があるのかを知らずに業務を行ってしまうことなどがあげられます。

また、人材面からの要因としては、職場の安全衛生活動について熟知しているベテランが退職し、現場の危機管理レベルが低下することや、製造業の場合の構内下請け作業など指揮命令系統が混在している現場では、作業間の連絡調整が不十分になりがちであることなどがあげられます。

これらの現状を受け、職場の労働安全衛生管理は、法律を遵守するだけではなく、より積極的に行っていく必要があり、その体制は、従来の職人技にたよるマネジメントから、組織的・体系的なマネジメントへと移行していく必要が高まっています。この組織的・体系的な労働安全衛生についての仕組みとして「労働安全衛生マネジメントシステム」があります。

労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)は、経営トップが安全衛生方針を表明し、経営と一体化した全社的な安全衛生の推進体制を整備します。そして、PLAN(計画)、DO(実施)、CHECK(評価)、ACT(改善)というPDCAサイクルを定め、全社で継続的にこのサイクルを実施することにより、安全衛生の水準を段階的に向上させていくものです。

PDCAサイクルのP(計画)では、危険性または有害性などの調査(リスクアセスメント)を実施し、その結果に基づき対策を実施していきます。また、このシステムには、

  1. 担当者の責任・権限の明確化
  2. 安全衛生委員会などによる労働者の意見の反映
  3. 作業手順の書面化
  4. 定期的な監査

などの事項が含まれます。

このような、自主的な労働安全衛生管理についての取り組みを行っている事業者は、労働基準監督署長の認定を受けることにより、一定の手続きが簡素化されるというインセンティブ措置があります。以下、概要を説明します。

自主的な取り組みを行う事業者は、次のような機械などの設置、移転などに関する計画の届出義務が免除されます(ただし、報告は必要です)。

(免除の対象)

  1. 製造業(一部をのぞく)、電気業、ガス業、自動車整備業、機械修理業で電気使用設備の定格容量の合計が300kW以上の場合の計画の届出
  2. 一定の機械などの設置、移転、主要構造部分の変更の場合の計画の届出

ベテランの技をいかに現場に残すのかということは、企業にとって大きな課題です。全社的な仕組みを構築し、そこに現場の声を反映させることにより、いままで蓄積されてきた知識の伝承を行える組織をつくっていきましょう。

関連情報
<平成21年における死亡災害・重大災害発生状況等について>(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000006cdg.html
<労働安全衛生マネジメントシステム>(安全衛生情報センター)
http://www.jaish.gr.jp/yougo/yougo02_1.html
回答者
社会保険労務士・中小企業診断士 大塚 昌子

2011年1月17日更新

人事制度と労務管理


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