本文とサイドメニューへジャンプするためのナビゲーションスキップです。

スタートアップガイド

J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト

  • J-Net21とは
  • スタートアップガイド
中小機構
  • メルマガ登録
  • RSS一覧
  • お問い合わせ

HOME > 経営をよくする > ビジネスQ&A

ビジネスQ&A


Q&A検索

現在のQ&A登録件数

894



事業拡大と多角化

Q1107.航空機産業への参入可能性について教えてください。
自動車部品製造から医療部品への展開を図り、一応の目途が立ったことから、航空機産業への展開を視野に入れています。安全要求水準が非常に高く、参入は難しいと聞いていますが、今後の市場成長を考えるとぜひ参入したい市場です。参入までの進め方、注意点、必要規格等についてお教え願います。

A.航空機産業では何より安全性が最優先されるため、厳格な品質管理が求められます。その代表的な規格として、JISQ9100およびNadcapがあります。また、中小企業が連携してそれぞれの工程を受け持つ一貫生産により、発注企業にとってメリットのある生産体制づくりも求められます。

【航空機産業への参入メリット】

航空機産業は、成長分野の1つとして位置づけられています。日本航空機開発協会の平成27年版調査によると、世界のジェット旅客機需要は、現在の20,814機が20年後には1.84倍の 38,313 機に増加します。これは、航空旅客数の成長が著しいアジア・太平洋地域(年率6.1%)を中心に、堅調に増加するからです。大中旅客機は欧米による寡占化が進む一方、LCC等の普及によって需要拡大が予想される小型旅客機やリージョナルジェット旅客機については各国が新規参入を目指し、競争が激化しています。

【航空機特有の品質マネジメント(1)】

完成機メーカー等の取引に際しては、「日本工業規格・品質マネジメントシステム-航空宇宙-要求事項(JISQ9100)」に基づく品質管理が要求されます。同規格は米国国防省によって1994年から開始された調達改革により、従来のMIL規格廃止とともに、ISO9001をベースに制定された「航空宇宙マネジメントシステムIAQG」と同様の内容とされ、同様に規格化された米国AS9100、欧州EN9100と相互認証されています。

【航空機特有の品質マネジメント(2)】

航空機製造において、「製造及びサービス提供の過程で生じるアウトプットが、それ以降の審査及び測定で検証することが不可能な場合(製品が使用されサービスが提供された後でしか不具合が顕在化しない場合)」の作業工程を「特殊工程」と呼びます。その製造及びサービスのプロセスの妥当性を検証するために、設備・工程・人を承認する国際的な認証プログラムNadcapが制定されています。特殊工程には機械加工、熱処理、表面処理、ショットピーニング、非破壊検査などが該当します。

【一貫体制の構築が急務】

従来、国内重工メーカー等のサプライヤー各社は材料や治工具を調達し、切削等の加工を行う中小企業に支給・貸与して、生産された部品等を、表面処理等を行う別の中小企業に発注し、納品された部品の組み立てを行う別の中小企業に発注するといった、いわゆる「のこぎり型」の取引を行ってきました。

しかし、航空機産業の競争が変化する中、受注形態に変化が出てきつつあります。具体的には、サプライヤー傘下にある中小企業がそれらの工程を一貫して受け持つ「一貫生産」により、効率的な生産・供給が可能な体制構築が急務との認識が生まれています。航空機産業への参入を目指す中小企業においては今後、自社内の機能充実や企業グループの形成等を通じて、製造技術及び品質保証能力を高め、一貫生産体制の構築を目指すことが求められています。

図1 中小企業が連携した部品一貫生産体制

【参入の進め方】

中小企業にとって、航空機産業は参入リスクが高く、ハードルも高い業界です。開発や巨額の投資回収に長期間を要するうえ、安全性・信用・信頼が重視されるため、JISQ9100やNadcap認証を取得できる品質マネジメント体制が要求されます。

参入にあたっては、どこに参入の意義と目的を見出すかが大きなポイントとなります。具体的には、売上高の維持・拡大、技術や品質マネジメントのレベルアップ、保有技術の航空機産業への応用、専門人材の育成とレベルアップ、企業体質の変革、航空機部品製造を手掛けていることでの企業イメージのアップ、などが挙げられます。

また、「航空機関連の仕事を積極的に獲得する」姿勢はきわめて重要です。JISQ9100やNadcapを認証したとしても、「待ち」の姿勢では、サプライヤーからの仕事の依頼は期待できません。その際には、航空機部品製造に応用できる最新鋭の設備を導入し、このような仕事ができる、といった技術アピールも必要となるため、本当に仕事を受注したいのであれば、設備先行の投資判断も求められます。

関連情報
<中小企業庁:中小企業の航空機産業への参入のためのガイド~国際認証(Nadcap)制度の取得に向けて~>(PDFファイル)(J-Net21)
http://j-net21.smrj.go.jp/expand/chance/pdf/chance_20150427.pdf
<関西国際航空機市場参入等支援事業>(PDFファイル)(近畿経済産業局)
http://www.kansai.meti.go.jp/3-5sangyo/kokuuki/method_honbun.pdf
<航空機用部品の地域一環受注・一貫生産体制構築に向けて~飯田航空宇宙プロジェクト、エアロスペース飯田~>(関東経済産業局)
http://www.kanto.meti.go.jp/webmag/kigyojoho/1312kigyou_jisedai.htm
<NIIGATA SKY PROJECT>(新潟市)
http://www.city.niigata.lg.jp/business/kigyo/sokushinho/sky_project/
回答者
中小企業診断士 林 隆男

2016年10月12日更新

事業拡大と多角化


このページの先頭へ