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経営ビジョン

Q1078.金属業界の動向について教えてください。
精密部品加工業を営んでいます。取引先の海外進出には追随せず、国内にて多品種小ロット短納期へのニーズ対応や、同業者との連携により業績を維持してきました。多品種小ロットの分野も海外調達の動きがあり、新たな対応を迫られています。今後の国内の金属業界の動向を教えてください。

A.市場の縮小を余儀なくされて来た金属業界は、緩やかな改善傾向にあります。板金・切削・めっきなどの金属加工業は、さらなるユーザーニーズ対応と、IT化や機械技術革新の中で一層の技術力や設備の向上が求められています。またユーザー企業からの一括発注の動きもあり、ネットワークの強化による複数工程分野の受注が増加すると思われます。

金属業界の動向について、経済産業省「工業統計調査」の数値などを用いて、全体感がわかるようにご説明していきます。金属製品の範囲は広く、缶、洋食器、機械刃物、作業工具、鉄骨・橋梁、鉄塔、金属製サッシ、シャッターから金網、ばね、ねじ類、金庫等々多岐にわたります。本稿は、我が国加工組立型産業の発展を支えてきた板金、切削、めっきなどを中心とする金属加工業にスボットを当てて説明します。

【市場規模】

金属業界は平成20年を境に、米国発の金融危機やリーマンショックなどの影響を受け、自動車向け、住宅建材、飲料用缶などを中心に落ち込みが見られ、市場の縮小を余儀なくされていました。
 しかし平成24年以降は、消費マインドの改善による民間需要の拡大、米国の住宅市場の順調な回復、東日本大震災による復興需要などを背景に、業績は回復傾向に入りました。さらに平成25年から26年にかけて、株価の上昇、雇用環境の改善、消費マインドの回復など好材料が揃いはじめ、明るい兆しが見えてきました。

図1 金属製品の製品出荷額の推移

図1 金属製品の製品出荷額の推移

出典:経済産業省「工業統計調査」より筆者が作成

【市場動向】

1.ユーザー企業の海外展開と現地調達の進展

近年電機・自動車などの組立型産業の海外進出が進み、製造業の海外生産比率が大きく上昇しました。ユーザー企業の部品調達が国内か海外かは、一部の国内調達が不可欠なものをのぞき、基本的にはユーザーの組立てがどちらで行われるかによります。ただし精度や技術力を要する製造装置、検査・測定機器など製造業を支える一般機械・産業機械は比較的我が国の競争力が強く、国内での組立てが主体であり、部品調達も国内が中心といわれてきました。
 このように、金属加工業が今後国内生産で生き残りを図るためには、取引先ユーザーの業種や国内での生産ニーズ(試作・開発型、多品種小ロット対応型、高付加価値製品、短納期製品など)を見極め、これに対応できるものづくり経営力(技術力、生産システム、マーケティング、社内・社外(同業・周辺業種)とのネットワーク)を整備していくことが必要です。

2.IT化と機械技術革新

これまでの金属加工技術は、経験、勘などによって支えられ日々の現場での改善の積み重ねによって蓄積されてきた部分が少なくなく、継承人材が不足する中で、技能の継承が大きな課題となっています。また、ITや機械技術などの高度化によって、機械化・自動化・情報化による技能の技術化も進展しています。同時にこうした技術の海外移転にともない、アジア諸国の追い上げが急速に進行しています。
 このため、NC複合加工機や3Dプリンターなど高機能化した加工設備の導入や活用といった一定の技術力・設備の保有を前提とした上での競争力が問われる状況が見受けられるようになっています。

3.一括発注化の動き

これまでユーザー企業と金属加工業との関係は安定していましたが、ユーザー企業はこれまでの取引関係に必ずしもこだわらず、国際的な最適調達を志向するようになってきています。また、ユーザー企業の海外への生産シフトにより国内市場での競争が一段と激化する中で、金属加工業は生産工程の情報化、技能の技術による代替でより装置産業化し、資金力・技術力などある程度の企業体力がなければ、企業が独立して存続していくことがますます困難になってきています。
 加えて部品の共通化やモジュール化を進める一方で、発注先に購買機能の一部代替を求めるようになってきています。このため、特定部品の専業者や、他企業とのネットワーク化などで複数工程分野を請け負える部品企業が今後主流になってくるものと予想されます。

関連情報
<素形材産業ビジョン>(経済産業省)
http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/sokeizai/d-vision.html
回答者
中小企業診断士 林 隆男

2016年1月25日更新

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