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コストダウン

Q1075.円安で原材料が高騰して経費を圧迫しています。どのように対処すればよいでしょうか?
当社は金属の切削加工を主な業務としております。これまでの円安傾向で原材料の価格があがり、経営を圧迫しています。現状では、社内のコストダウン対応だけでは吸収しきれないレベルです。どのように対処すればよいでしょうか。

A.十分な準備をした上での製品の値上げ交渉、共同仕入れなどによる調達価格の値下げ、顧客からの材料支給への切り替えなどの対策が考えられます。いずれにせよ、価格変動が起きることを前提にして、どのように対処するかを予め想定しておくことが必要です。

一時は70円台の相場だった円ですが、ここ数年で120円程度まで円安が進んでいます。海外に製品を輸出する企業にとっては有利な為替相場ですが、一方で輸入原材料が高騰するという側面もあります。
 貴社のように国内取引でビジネスを行っている会社にとっては頭が痛い問題かと思います。貴社のようにコストダウンの努力だけではどうにもならない原材料の高騰の問題について対処する方法を説明します。

【製品の値上げ】

まず、もっとも単純な方法は製品の値上げでしょう。原材料の高騰分を価格に転嫁できれば問題は解決します。しかし、単純な値上げ交渉では相手方が受け入れてくれないケースも多いかと思います。
 交渉に当たっては、どの鋼材がどの程度値上がりしているのかを分かるようにし、工賃と原材料代を明確に分けて交渉するほうがよいでしょう。

中には、納品書の内訳に原材料費と工賃を別々の項目にすることによって、材料費値上げ分の交渉をスムーズに進めた事例もあります。
 工賃を明確にすることに抵抗感のある方も多いのですが、合理的に交渉を進める上では有効な手段です。一度検討されてみてはいかがでしょうか。

表1 価格交渉に用いる資料の例

表1 価格交渉に用いる資料の例

【原材料の調達方法の変更】

もう一つ考えられるのは、原材料の仕入れ額を安く抑える方法です。社歴が長く、1つの材料商社とずっと取引している会社も多いです。その場合、他の材料商社との相見積りをとるだけで、仕入れ価格が下げられたという事例もあります。

また、共同仕入れによって原材料費を下げた事例もあります。近隣の同業者に声をかけ、まとまった数量の材料を共同で仕入れることで原材料を下げる方法です。
 同じような鋼材を使っている会社が近隣にあるのであれば、声をかけ検討してみてください。

ただ、量がまとまれば価格が下がるということで、必要以上の材料を仕入れると材料在庫が増え、キャッシュフローを悪化させる原因になります。目先の価格だけではなく、総合的に判断して仕入れ量を調整するようにしてください。

【無償材料支給に切り替える】

お客様から材料を無償で支給してもらい、それを加工するという方法がとれれば、価格の変動リスクはお客様が引き受けることになります。業界によっては材料支給が一般的な業界もあります。

すべての材料について材料支給に切り替えるのが難しくても、特殊な材料や値動きが激しい材料に限ることで、交渉がスムーズに進むケースもあります。
 ただし、材料支給の場合、価格変動があるたびに価格交渉をしなくても一定の利益が得られるというメリットがある一方、顧客から預かっている材料の管理の手間が増える、見かけ上の売上が減少するなどのデメリットもあります。

【問題が解決しない場合】

明らかな原材料の値上げ分を価格に転嫁せず、理不尽な価格設定を取引先から要求される場合は、全国に設置されている「下請かけこみ寺」の相談窓口に相談するとよいでしょう。相談員による相談対応の他、弁護士による紛争解決、下請け取引に関する講習会も行われていますので、ぜひ活用してみてください。

【価格変動に対する準備】

以上、原材料の価格変動に対する対策について説明しましたが、輸入原材料の価格は為替相場だけでなく、他国の需要動向、生産国の政治状況等々さまざまな原因で変動します。円安に振れているのに、原油価格が下がるようなことも起きるわけです。

そのため、事業計画を立てる際に何%以上の変動であれば吸収できるのかを考慮しておくことも大切です。そうすることでいざ価格変動が起きた際に冷静に対応できます。
 価格変動が起きることを前提で、高騰した場合にどのような対策を打つのか、事前にシミュレーションをしておきましょう。

関連情報
<下請かけこみ寺>(中小企業庁)
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/kakekomi.htm
回答者
中小企業診断士 遠藤 康浩

2016年1月20日更新


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