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経営ビジョン

Q1042.食品製造業界全体の動向について教えてください。
当社は、総菜を中心とした加工食品を製造しています。現在、新たな投資を考えていますが、食品製造業界全体の動きを考慮した上で投資判断したいと思っています。業界全体の動向を教えてください。

A.市場規模については、短期的には拡大傾向、長期的には縮小傾向にあります。市場動向については、流通の効率化の進展、小売り業態の変化(コンビニエンスストア、ネット通販の伸び)、輸入食品(円安による輸入の鈍化)などが主な動向です。
TPP(環太平洋パートナーシップ協定)の行方は業界に大きな影響を及ぼすと見込まれるので、注視する必要があります。

食品製造業界全体の動向ということですが、農林水産省が発表している「平成26年度食品産業動態調査」の記載内容を中心に、各種統計資料などの情報を前提に全体の感じがわかるように解説していきます。

【市場規模について】

食品市場は比較的景気の動向を受けにくい業界だといわれていますが、食料品の価格下落や少子高齢化の影響を受け、1990年代後半から縮小傾向にあります。平成23年度の食品産業(食品工業・関連流通業・飲食店の総計)全体の国内生産額は78兆円となっています。

ただし、平成23年度以降、食品製造業生産指数が上昇傾向になってきており、物価の上昇に伴い、食品製造業の販売価格も上昇しています。高価格・高品質を求める需要も増加傾向にあり、景気の拡大がこのまま続き、賃金の上昇が続けばしばらくはこの基調が続くと見込まれます。
 ただし、日本国内の人口が減少傾向にあることは間違いなく、緩やかに日本国内の市場は長期的に縮小していくことは避けられないことでしょう。

【市場の動向について】

1.流通の効率化

近年、食品流通の効率化が進んでいます。W/R比率(食料品卸売額に対する食品小売販売額の比率のこと。この数値が低いと卸の関与が少なく、効率化されていることになる)を見てみると、平成元年は2.72でしたが、平成26年は1.43まで低下しています。
 これが何を意味しているかと言いますと、1つには食品卸の再編が進み、多段的な流通が簡素化されたこともありますが、もう1つの要因として、メーカーと小売りの直接取引の割合が増加していることも示しています。

大手小売店との直接取引や、プライベートブランドによるOEM供給などの動きがこの数値に顕著に表れているといえるでしょう。
 今後は、卸まかせではメーカーの販路開拓が進まなくなっていくことを示唆しています。

2.小売業の業態変化

食品の販売場所として大きな役割を担ってきたのは、百貨店、スーパーマーケット、コンビニエンスストアの3業態です。この三者を見てみると、百貨店での売上は縮小傾向にあり、スーパーマーケットは横ばい、コンビニエンスストアが拡大傾向にあるという図式になっています。

しかし、最近は第4の販路が大きく成長しています。それは通信販売です。
 平成17年に約3.4億円だった通信販売での売上高が、平成25年では5.9億円に成長し、百貨店での売上高(6.7億円)に匹敵する規模になっています。
 今後は、コンビニエンスストアに置いてもらえる商材(単身・小規模ファミリー向け)や通信販売に向いた商材が市場からますます求められていく傾向が強まると思われます。

表1 3業態+通信販売における食品販売額

(単位:億円)

表1 3業態+通信販売における食品販売額

出典:農林水産省 平成26年度食品産業動態調査

3.輸入食品について

加工食品(酒類を除く)の輸入金額は表2のようになっています。

表2 加工食品(除く酒類)の輸入額推移

表2 加工食品(除く酒類)の輸入額推移

出典:農林水産省 平成26年度食品産業動態調査

円安が進み、数量ベースでの輸入の伸びは鈍化していますが、為替の影響で輸入額は増加傾向にあります。なぜこのような傾向になるかというと、日本の食品メーカーが海外に工場を作り、そこで生産したものを輸入しているなどの理由が考えられます。
 このまま為替が円安方向に行けば、数量ベースでの輸入はさらに減少傾向になることが予測され、国内への生産回帰の動きも活発化する可能性があります。

しかし、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)が発効されると参加国間で(いくつかの例外をのぞき)食品の関税が撤廃されることになるため、今後、輸入加工食品が価格競争力を持ってくる可能性は高くなると考えられます。TPPの動向には注意が必要です。

以上、食品業界についての全体像を把握できるよう、論点を絞って説明しました。さらに詳しいことを知りたい場合は以下のサイトを参考にしてください。

関連情報
<平成26年度食品産業動態調査>(農林水産省)
http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/jki/j_doutai/doutai_2014.html
回答者
中小企業診断士 遠藤 康浩

2015年11月24日更新

経営ビジョン


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