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[会社法]企業再生・廃業
- Q047.特別清算の手続に関して留意点を教えてください。
- 当社は精密機器製造業です。しかし、売上げの低迷により現在清算の手続き中です。債務超過の疑いがあるため、特別清算に移行することも考えられます。手続きに関しての留意点を教えてください。
A.会社法の施行により、債権者集会における協定の可決要件が緩和されたり、親子会社などを一体として処理することができるよう管轄裁判所の特例が設けられるなど、特別清算手続が利用しやすくなりました。
【特別清算の開始について】
会社は以下の場合には、債権者、清算人、監査役または株主の申立により、特別清算が開始されます。
- 清算の遂行に著しい支障をきたすべき事情があること
- 債務超過の疑いがあること(清算人は特別清算開始の申立をしなければならない)
ただし、次のいずれかに該当する場合には、特別清算は開始されません。
- 特別清算手続の予納がないとき
- 特別清算手続を結了する見込みがないことが明らかであるとき
- 特別清算手続によることが債権者の一般の利益に反することが明らかであるとき
- 不当な目的で特別清算開始の申立がされたとき、その他申立が不誠実になされたとき
そして、特別清算手続の関与のもとで残務を終了させ、資産の処分換価、債権債務の清算を協定に沿って行い、残余財産を分配します。
【特別清算手続にかかるポイント】
会社法の施行による、特別清算手続に関する従来の商法からの主な変更点は、表1のとおりです。
| 項目 | 会社法施行後のポイント |
|---|---|
| 管轄裁判所 | 原則として本店所在地を管轄する地方裁判所だが、親会社などに特別清算事件や民事再生事件などの係属案件がある場合には、子会社などはその係属している地方裁判所に申し立てることができる。 |
| 清算人の解任 | 裁判所は、債権者および株主の申立により職権で清算人を解任することができるようになった。 |
| 協定の可決要件 | 債権者集会に出席した議決権者の過半数の同意、かつ議決権者の債権額の2/3以上の者の同意を必要とする。 |
| 協定の対象債権 | 一般の先取特権や一般の優先権がある債権、特別清算手続のために会社に対して生じた債権、特別清算に関して会社に対して生じた費用請求権は、協定の効力の対象外とされた。 |
| 役員の責任免除 | 会社の決定より、特別清算の申立があった後またはその1年以内にした発起人、設立時取締役、設立時監査役、取締役、会計参与、監査役、執行役、会計監査人または清算人の責任の免除を取り消すことが可能である。 |
また、上記以外にも以下の点が改正されています。
(1)裁判所の職権による特別清算の開始命令は廃止されました。
(2)裁判所は、特別清算の命令があった場合、監督上の必要から、債権者、清算人、監査役または株主の申立により、または職権で会社財産の保全処分をすることができます。この保全処分は、申立時から決定時までの間にすることができます。
【特別清算の留意点】
特別清算においては、多くの場合、会社の取締役が特別清算人のポジションにつきます。ただし、債務超過であることが予想されるため、通常清算の清算人に比してよりいっそう中立的・厳正に手続を遂行する必要があり、そのため会社、株主および清算人の業務は、会社財産の現況を調査し、債権者集会に対し会社財産状況報告書、財産目録および貸借対照表を提出し、清算の方針および見込みについて意見を述べ、会社債権者に対して債権の届出を催告し、会社財産を換価・回収し、債権者に配当を行うことが必要です。
特別清算においては、特別清算人は裁判所の監督のもとで協定案(会社財産の分配計画)を作成して債権者集会に提示します。協定案の内容たる弁済条件は、各債権者にとって平等であることが求められます。
円滑な清算手続を行うためにも、必要に応じて、専門家に相談しながら進めていくことが肝要です。
- 関連情報
- <中小企業にとっての会社法のポイントについては?>(中小企業庁:「よくわかる中小企業のための新会社法33問33答」)
http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/kaisya/kaisyahou33/kaisyahou.htm - 回答者
- 中小企業診断士 松林 伯尚
2011年1月17日更新
