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企業再生と廃業
- Q042.会社更生と企業再生のポイントを教えてください。
- 自社開発の健康器具を製造しています。すべての生産工程を外部委託している、いわゆるファブレスなので資産はありません。最近大手メーカーが参入し、価格競争に巻き込まれて売上が急減しています。万一の場合、会社更生法による更生開始を申立てようと考えていますが、更生計画が認められるポイントを教えてください。
A.会社の倒産処理には、会社更生法適用以外にも私的整理や民事再生などもありますので、どの手続きを取ることが最善か十分に検討してください。また、企業再建のポイントは、7項目ありますが、各項目をよく検討され、万一の場合に備えておくことが大切だと思います。
売上は急減しているとのことですが、倒産を回避するための努力は続けられていることと思います。ここでは、万一の場合を想定して、会社の倒産処理と企業再建のポイントについてお話します。
まず、倒産処理方法を概観しますと、倒産後の方針によって「清算型処理」と「再建型処理」にわかれます。ここでは、「再建型処理」について説明します。
(1)いわゆる私的整理は、裁判所を通さないため、費用と時間が節約できて柔軟な対応も可能であり、広く行われていますが、手続きには全債権者の合意が必要です。また、制度としての監督機構がないために、不公正も行われやすくなります。
(2)会社更生は、開始決定があると、現経営者の経営権は失権します。別に選ばれた管財人が事業の経営を続けながら会社の資産を洗い出し、これに基づいて債務弁済をはじめとする更生計画を作成します。この計画が法定多数の同意を得て裁判で成立すると、反対者も含めた全関係者に対して有効となります。
(3)民事再生は、法人にも個人にも適用されることや、経営者が引き続き経営にあたることも認められる場合があることや、申立要件が厳しいため、再建のタイミングを逸しやすいなどの問題があった旧来の和議などに比べて、申立原因が緩やかなことなどの特徴があります。
これらのうち、どの手続きを取るのが最善か、十分検討してください。
さて、いずれの手続きの場合も、企業再建のポイントは、次の諸項目にあると言われています。
- 事業自体の収益力
- 資産・負債の一定のバランス
- 関係者の支援
- 資金調達の見通し
- 経営規模の縮小余地
- 経営陣の確保
- 従業員または労組との調整
会社更生をお考えとのことなので、会社更生法の手続きの流れに沿って説明します。まず、管財人が更生計画を作成する際には、前記の貴社の本業の収益力を検討し、バランスシートを時価評価しますので、上記「I. 事業自体の収益力」及び「II. 資産・負債の一定のバランス」は、非常に重要なポイントになります。
次に、会社更生法では現経営陣は失権します。また債権者は弁済を棚上げまたはリスケジュールされ、担保権の実行も制限されますので、「III. 関係者の支援」と合意も重要です。
また、IV. の「資金調達の見通し」は、いっそう重要なポイントです。会社更生法のもとでの増資や減資は、株主総会の決議は不要で更生計画だけで可能ですが、更生計画を支持する投資家または第三者割当先が現れなければ、更生計画は継続できませんので、再生中の運転資金借入先の確保も必須です。
再建企業向け融資をDIP(Debtor In Possession)ファイナンスと呼び、民間金融機関のほか一定の条件にあてはまれば、日本政策金融公庫や商工組合中央金庫などでも利用可能です。
さらに、更生計画には業務のリストラや人員整理も含まれることが多いため、前記「V. 経営規模の縮小余地」 や「VII. 従業員または労組との調整」も再生のための条件となります。さらに、現経営陣は原則として経営に関与できませんから、貴社の再建の成否は、前記「VI.経営陣の確保」にあるような新しい有能な経営者の出現にかかってくるわけです。
- 関連情報
- <DIPファイナンス(事業再生支援資金)>(中国経済産業局)
http://www.chugoku.meti.go.jp/chusho-hp/2-saisei/3-dip.htm - 回答者
- 中小企業診断士 岩佐 大
2011年1月17日更新
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