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変わる大手企業の購買戦略


半導体向けに独自VE推進/調達段階から原価低減【Case.17 日立ハイテクノロジーズ】

山本洋祐 那珂地区生産本部調達部長

山本洋祐 那珂地区生産本部調達部長

日立ハイテクノロジーズは2006年度から「コストデザイン」という独自のバリューエンジニアリング(VE)活動に取り組んでいる。以前は、研究機関向けに電子顕微鏡を納入してきたが、半導体製造会社向け装置の製造比率が高まり、事業環境を半導体業界向けに転換する必要があった。製品モデルの変更の多い業界に合わせ、「早い段階で利益を確保するのが経営方針」(那珂地区生産本部の山本洋祐調達部長)になった。

同社は方針転換を踏まえ、経営安定化と競争力確保のため、初期開発段階からコストを下げることで、製品価値の向上だけでなく調達段階から安価で良質な部品やユニットを見つけて原価低減につなげようと考えた。

調達の司令塔はグループ各社のマザー工場と位置付けられる那珂地区(茨城県ひたちなか市)の本部にある。ここに調達業務に従事するため本社組織の調達戦略部の人員が配置されている。
 調達戦略部の活動重点方針は五つあり、最大の使命は「コストデザイン活動」で利益を創出することにある。コストデザインとは構想段階の開発品の原価企画を行う前に、エンジニアリング購買の視点を織り交ぜて検討する活動を意味する。「開発主体の製品が多い当社向き」と調達戦略部の小林国男シニアアドバイザーは指摘する。

調達部門は原価低減に大きな役割を担う(打ち合わせ風景)

調達部門は原価低減に大きな役割を担う(打ち合わせ風景)

原価企画活動は田中雅康東京理科大学名誉教授の考え方を盛り込み、今後の方向性を見いだした。エンジニアリング購買活動も発展途上段階とは言え、初期開発段階であらゆる原価低減を意識した「ダヴィンチ計画」を策定し、実行中だ。
 ダヴィンチとは「ダイナミックかつ、機敏なVEでコストデザインに革新を起こす」を意味する英語の頭文字。装置の性能を維持しながら、装置の体積などを全て半分にする「キュービックハーフ」運動を進めており、ゲストエンジニアを迎えて一緒に取り組んで成果を出すこともある。

今後は「日立グループの各研究所にも入ってもらうなど、要素開発段階からこの活動を展開していきたい」(那珂地区生産本部調達部調達エンジニアリンググループの押野勝部長代理)とする一方、グループ内の基幹システムの一元化を急ぐ。一元化で、実質、那珂地区だけで展開するコストデザイン活動を他地区でも展開していく。全社でこの活動に取り組み、主力の半導体製造・評価装置や生化学・免疫用自動分析装置などの製造コストに反映する方針だ。

調達のポイント

海外調達を15%に引き上げへ

調達戦略部の五つの活動重点方針では「グローバル調達」も掲げている。だが、超精密機械を生産していることもあり、「これまでは新興国からの調達をほとんどしてこなかった」(調達戦略部の小林国男シニアアドバイザー)。それでも「今は市場が新興国中心になって来たため、これに対応する必要がある」(同)と、今年4月に調達戦略部の中にグローバル調達推進センターを設置。2年後をめどに海外調達高を現行の10%から15%に引き上げるという。コストデザイン活動が求められる範囲がいっそう広がりそうだ。


掲載日:2012年2月10日

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