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変わる大手企業の購買戦略


【番外編】購買されるための中小企業の工夫
金型不具合を早期発見、早期治療[Case.4 古賀金属工業]

金型の高さをそろえ移動時間を1秒でも縮める

金型の高さをそろえ移動時間を1秒でも縮める

震災で操業停止の半月を生かす

東日本大震災の当日、自動車向けプレス部品メーカーの古賀金属工業(古賀幸司社長)はフル生産に近く、翌日の土曜日も休日操業を予定していた。しかし、震災直後には顧客からの納入停止の要請が相次いだ。その後約3カ月間、計画していた生産は停止し、従業員も半月ほどの休みを余儀なくされた。だが、その期間はコスト削減に力を注いだ。作業時間短縮や不良品の発生防止など、普段忙しくてなかなか手がけることができなかった業務に時間を費やすことができた。
 同社にとって時短や不良防止は震災前から継続的に取り組んできた。職場のグループごとに月2件は改善案を出し、活動発表会は年3回開く。不良品や発生可能性の発見者には金一封を出している。

棚や台車の高さをそろえ移動を楽に

金型を乗せた台車を近くに置いたことで女性でも動力を使わず金型交換ができる

金型を乗せた台車を近くに置いたことで女性でも動力を使わず金型交換ができる

震災後、特に改善を進めたのがプレス機での交換作業やメンテナンスなど金型に関するものだ。このうち交換作業は、プレス機の金型取付け位置と金型を置く棚や運ぶ台車の高さをそろえ、棚や台車の上にローラーを敷いた。棚から台車、台車からプレス機までの移動がローラー上で行えるようにした。従来はフォークリフトやクレーンを使っていたため、大幅に時間短縮ができた。

また、各種金型の厚さも1mmほどの単位でそろえた。取り付け後に必要だったプレス機の微調整を不要にするためだ。石川勝博常務は「劇的な改善効果は望めないが、1秒、1mmの積み重ねが大きな違いになる」と力説する。
 また、プレス機から出てきた製品を一定個数ごとに箱詰めする装置も開発した。箱を変えるたびに機械を停止する必要がなくなった。
 一方、不良防止では金型やプレス機の不具合チェックを重視している。「人間の病気と同じで早期発見、早期治療が大事」と、メンテナンス担当者が1つの金型につき2-3カ月に1度は分解、検査する。また稼働中の工場を巡回して製品や機械も見る。

慣れによる見過ごしを防ぐ

震災による生産ストップの時間を改善に生かした

震災による生産ストップの時間を改善に生かした

メンテナンス担当が製品を見ることは、不良の発生予測においても重要という。日ごろから機械を操作している現場担当者だけだと、どうしても慣れによって見逃してしまう変化がある。
 「機械のどこが悪いかを部品が教えてくれる」
 特にバリや表面に現れる線は要注意。停止する休憩時間には、機械から空気が漏れていないか耳を澄ます。周辺のゴミや汚れ方も予測の材料になる。

自動車部品にはコスト削減だけでなく、燃費改善のための軽量化も求められている。これは材料の強度を高めることで素材を薄くして実現する。しかし、プレス機や金型にとっては負荷が増すことにつながる。「プレスを打つ強さや、打てる回数が変わるので注意しなければならない」と、材料の変化にも敏感になることが必要だ。
 顧客から要求されるコスト削減幅は年5%程度。同社は震災後の取組みで、震災前と比較してすでに3%程度を達成、2011年度中の5%は確実と見ている。12年度も要求があるという前提で、さらなる改善の継続に意欲をみせている。

【ワンポイント】

自動車部品業界に対して、完成車メーカーからのコストダウン要求は高まる一方。それに加えて急激な円高が企業業績を圧迫している。九州にはトヨタ自動車や日産自動車の生産拠点が立地しているため、国内の他地域に比べて輸送面では有利な状況にある。だが、円高・ウォン安でコスト競争力を増す韓国部品業界の存在感が日増しに高まっている。自動車メーカーの海外部品調達も加速し始めた。国内だけでなく、アジアを見据えた一層のコスト削減努力が求められている。


掲載日:2012年1月31日

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