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変わる大手企業の購買戦略


【番外編】購買されるための中小企業の工夫
1番に選ばれるために低コストと高品質を両立[Case.3 阪口製作所]

画像検査装置を自社で開発するなどの工夫で高品質とコスト対策を両立する

画像検査装置を自社で開発するなどの工夫で高品質とコスト対策を両立する

自社で検査装置を開発

阪口製作所は、シートベルトの金具など自動車向けの安全部品や搬送用の金属部品を製造する。得意のプレス加工技術を生かして、複雑でさまざまな大きさや形状の製品を大量に生産してきた。生産工程の自動化により効率的で高品質のモノづくり体制を整える一方、製品の材質変更で顧客に軽量化とコスト低減を提案。海外の拠点も活用しながら、品質の向上とコスト対策を両立している。

同社のコスト削減の取り組みは「1995年の円高を機に本格化した」。坂元忠昭製造部長は、求められる数字との戦いをこう振り返る。現在は製造や検査工程などの工夫で、半期ごとに来る数%のコストダウン要請に対応している。機械は更新を欠かさない。組み立て後の検査も、目視で行っていたのを、誤った部品を組み付けていないか自動で検出する画像検査装置を自社で開発。これにより不整合な製品の流出はなくなった。一部のプレス機にも自動のカシメ装置を取り付け、作業の手間を省いている。コストを削りながら、顧客満足の追求にも余念がない。
 こういった努力が必ずしも顧客からの評価や受注に結びつくわけではないというが、次の取引のためには「できることをやるしかない」(坂元部長)と常にベストを尽くす覚悟だ。そのための投資や技術開発は惜しまない。

材質見直しで5%コスト削減

経産省の補助事業で導入した80トンサーボプレス機

経産省の補助事業で導入した80トンサーボプレス機

シートベルト用金具の材質変更に乗り出したのは、2年前のことだ。難加工材の高張力鋼板(スーパーハイテン)を用いた製品の実現を目指し、経済産業省の補助事業で試作用に加圧能力80トンのサーボプレスを導入。従来品より板厚を薄くしても、高い強度を持つ製品の開発に成功した。部品によっては、5%以上のコスト削減が可能になったという。軽量化も果たし、この技術を強みとして、自動車に加え電機などの分野でも新規顧客を開拓する。

海外では97年にタイに合弁会社を設立し、現地で生産を始めた。日本と同等の品質で生産できるように設備を導入するとともに、現地のメーカーに技術指導を行ってきた。現在、同社が製造する金型の3分の2はタイで手がけている。材料は現地でも調達し、できるだけ原価を抑えている。
 現在もかつてない水準で円高が進行する中、費用の捻出には知恵を絞る。製品そのものでコストが吸収できない場合は、梱包費や輸送費を削減するなど顧客の目に見えない部分で協力する。急な納品依頼にも迅速に対応し、できるだけ早く顧客に届けるといった、コスト低減以外の地道な取り組みでも気を抜かない。
 2016年には創業70年という節目を迎える同社。円高に加えグローバル競争の激化、国内製造業の空洞化と、外部環境は厳しくなる一方だ。それでも自動車メーカーとの取引を続けていくためには「1番(に選ばれるメーカー)でないとダメだ」(同)という気迫で臨む。

【ワンポイント】

「1グラムでも軽く、1円でも安く」と限界を追求する一方で、安全性を損なってはいけないというのが自動車業界の方向性。軽量化の流れから、部品の材料が鉄から樹脂と金属の複合素材などに替わっていくため、顧客樹脂成形メーカーから部品を調達する動きが増えてきそうだ。
 また、標準装備されていた部品を減らすことで軽量かつ低コストが達成できるとして、部品の共通化が進んでいる。グローバル生産でさらにコストを下げることができるが、最近発生した地震や水害で生産を一極集中するリスクへの対処の必要を改めて認識することになった。


掲載日:2012年1月31日

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