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変わる大手企業の購買戦略


【番外編】購買されるための中小企業の工夫
精密切削加工/個人のスキルアップで生産性向上[Case.1 中農製作所]

工場ではプロセス改善活動に取り組んでいる

工場ではプロセス改善活動に取り組んでいる

個人のスキルアップから

中農製作所は精密切削加工を手がけている。取引先は半導体、自動車、油圧、機械、ロボットなど20業種と幅広く、材質、形状、サイズ、数量でも多様なニーズに対応している。平均すると月間800品目、1品目50個を生産する。生産工程、加工法の見直しといった定番のコスト削減はもちろんだが、個人のスキルアップという人材育成によって生産性を高めるユニークな取り組みを進めている。

中農製作所が生産する自動車のトルクコンバータークラッチ部品は年間110万台分。全生産量の45%を占める。何年間で何%と定期的にコストダウンの要請があるのは自動車部品で、削減幅は納入先と交渉しながら着地点を見いだす。自動車部品以外での要請はないが、他社との競争があるためコストダウンは欠かせない。

柔軟性ある企業に

活動成果はすべてオープンにする

活動成果はすべてオープンにする

コストダウンのため特定の業界や素材に特化する考え方もあるが、「バランス、柔軟性を持った企業にしたい」と中農康久社長はいう。中農社長は、自社の企業イメージを円錐形で表現する。円錐形の垂直軸がコア技術をはじめ高い品質保証、人材育成、自社商品、環境経営といった「こだわり」だ。水平軸は、多様なスキルを持ち多くの業種や異なる素材にも対応できる「柔軟性」を意味する。

多くの業界と取引すると、多様なニーズに触れることができ、将来に向けて同社が伸ばすべき技術の方向性も見える。特定の業界の仕事で培った加工技術を、異なる業界に応用できる横展開ができる。これにより毎年、加工の引き出しが増え、柔軟性を持った生産力を持てる。また、似た加工でも業界により利益率が異なる場合もある。柔軟な生産力があれば国内の市場開拓も可能になる。

プロセス改善活動

どの治具が使用中が一目でわかる棚、探す手間や紛失の可能性が減った

どの治具が使用中が一目でわかる棚、探す手間や紛失の可能性が減った

同社には薄肉の部品加工では、マイクロメートル単位で真円度を出す加工技術がある。今後、さらに同社ならではの加工技術、円錐の垂直軸を伸ばさなければ、「単なる便利屋になる」(同)という危機感を持っている。

現在進めているのがプロセス改善活動による生産性の向上。加工現場での相互の応援体制確立だ。数値制御(NC)旋盤で加工中であれば、時間のあるオペレーターが加工が終わった別の機械を動かす事ができる。相互応援しやすいように、NC旋盤のレイアウト変更や加工終了を示す回転灯もつけた。

相互応援の実現には課題もあった。例えば同社にはNC旋盤は10台あるが、オペレーターが使うNC旋盤はおおよそ決まっている。あまり経験がない加工は、不良品発生につながる。そこでNC旋盤のオペレーター8人が全機種での適切な加工、段取りができるよう、個人のスキルアップに取組習得率を数値化している。NC旋盤ラインの月平均加工金額は2010年5月-2011年4月に比べ、11年5月-11年10月は35.7%増になるなど成果を上げている。

【ワンポイント】

中農製作所の場合、自動車部品の生産量が多いものの、多くの業界との取引がある。特定の業界に絞れば、コストダウン、加工技術も伸ばしやすい。一方、競合が出現した時にはもろいという考え方だ。

異なる業界の多様なニーズに応えるには、幅広いスキルが必要で、中農社長のいう「柔軟性」が欠かせない。「当社の規模であれば、まだまだ国内に仕事ある」(中農社長)というように、柔軟性を持つことで、新規の業界、取引先を開拓することができる。


掲載日:2012年1月31日

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