本文とサイドメニューへジャンプするためのナビゲーションスキップです。

スタートアップガイド

J-Net21 中小企業ビジネス支援サイト

  • J-Net21とは
  • スタートアップガイド
中小機構
  • メルマガ登録
  • RSS一覧
  • お問い合わせ

HOME > 経営をよくする > 変わる大手企業の購買戦略

変わる大手企業の購買戦略


エリア生かした両面調達でコスト削減【Case.15 コカ・コーラウエスト】

製造子会社コカ・コーラウエストプロダクツ明石工場(兵庫県明石市)

製造子会社コカ・コーラウエストプロダクツ明石工場(兵庫県明石市)

コカ・コーラウエストは世界規模から地域密着まで、調達先の使い分けにより原価低減を図る。同社は西日本2府12県をエリアに持つ、国内最大のボトラー。年間販売数量は約1億8000万ケース(2009年12月期実績)。だが消費不況やデフレを背景に売上数量は落ち込み、取引先の価格要求も厳しい。「継続的に事業を行うため」(若狹二郎取締役専務執行役員)には、コスト構造変革が不可欠な状況だ。

09年1月にボトラー3社などが合併して発足した。同時に主体的にサプライチェーン管理(SCM)を行う体制が始まった。それまでの調達業務は旧コカ・コーラナショナルビバレッジ(東京都港区)が製品供給を含め、全国集中的に行っていた。エリアの状況に応じた資材調達が可能になり、より適正な発注が可能になった。

また容器・包装資材の一括調達を行う、コカ・コーラビジネスサービス(CCBSC、同)も発足。グローバルな調達網を強みに、一括調達のスケールメリットを生かし価格交渉を行う。コカ・コーラウエストをはじめ、国内12ボトラーと米ザコカ・コーラカンパニーが共同出資した。原価削減を図り、価格高騰のリスクにも対応する。

広い自社エリアを生かした直接調達もコストメリットを発揮する。09年下半期より糖類、段ボールなど一部の原材料と資材について、自社による直接調達をスタートした。近距離輸送が主体の品目やエリア内に工場が散在する品目は、西日本地区に広がるエリアのメリットを生かしコストを最適化する。取引先との関係強化というメリットの両立も図る。

調達に加え内製化で原価削減率向上

調達に加え内製化で原価削減率向上

CCBSCを通じた調達と直接調達の使い分けこそが同社の強みだ。命題はSCMにおける「自社管理領域の拡大」(同)。原材料価格高騰など外部要因によるリスク低減には、調達から製造までの垂直統合が重要となる。容器メーカーに頼っていた成形を内製化するなど、コスト削減や安定供給といった合理化を図る。また容器の減量化による環境対応による付加価値化も可能になる。

コスト削減効果は出始めている。10年12月期第1四半期は、消費低迷から販売数量が減少。だが原価低減効果で売り上げ総利益の減少は小幅に留まった。若狹取締役は「10年内に策定する中期経営計画ではさらに適正化を図る。より地域に根ざしたボトラーを目指す」とさらなる変革に挑む。

調達のポイント

真の一体化へSCM変革

コカ・コーラウエストの調達において、「コカ・コーラシステム」に支えられたグローバル調達網の活用は同社ならでは。だが同時に直接調達の開始や容器内製化は、一ボトラーには留まらないという方向性を示す。
 ボトラー3社の合併で発足した同社には旧体質からの脱却も必定だ。真の一体化へ向けた動きのひとつが、調達から物流までの一気通貫化を図るSCMの変革だといえる。直接調達によるコストメリットの最大化は、国内最大規模のボトラーであるからこそ可能になる。さらなる企業買収で規模拡大を図る同社にとって、調達改革を含むSCM変革は次の一手に向け、大きな意味を持つ。
 厳しい経済環境の中で、コスト削減による利益拡大と同時に一体化を推し進め、拡大への布石を打つ。


掲載日:2010年6月15日

前の記事次の記事



このページの先頭へ