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変わる大手企業の購買戦略


海外調達を拡大-現地に要員配置【Case.14 IHI】

浅岡光勝常務執行役員調達管理本部長

浅岡光勝常務執行役員調達管理本部長

IHIは各種プラント工事や自動車用ターボチャージャー(過給機)などの事業で、中国など海外からの資材調達を拡大している。現在、プラント工事の受注や過給機工場の新設など海外での事業拡大に伴い、現地で利用する資材が増えている。海外で迅速な調達体制を整備することで、納期の短縮やコスト削減につなげる考えだ。

IHIの資材調達は調達管理本部が担う。同社が製造する品目はボイラやエンジン、機械設備など多岐にわたっており、調達する資材も幅広い。このため「集中購買によるコスト削減のメリットを出しにくい」(浅岡光勝常務執行役員調達管理本部長)としており、海外調達によるコスト削減効果を期待する。

すでに同社はアジアでの調達関連要員として中国に4人、韓国に1人、シンガポールに3人、マレーシアに2人を配置。このほか米国のニューヨークや英国のロンドンに専従者を置き、ロシアにも調達関連要員を派遣するなど調達体制の整備・拡充を進めている。現在の海外調達率は「30%台前半で推移している」(同)という。
 特に海外調達に力を注いでいる地域が、各種プラント工事や機械設備などの生産が拡大している中国と東南アジア各国だ。現地の調達関連要員を活用し、鋳物や歯車、タンクなどの製缶品といった標準的な資材をつくれるメーカーの本格的な調査に乗り出している。「価格が安いだけでなく、高品質で納期を厳守できる企業を探している」(同)と話す。

現地調達に取り組む過給機工場(中国江蘇省)

現地調達に取り組む過給機工場(中国江蘇省)

船舶事業でも艤装(ぎそう)品の海外調達を増やす意向だ。長らく国内の舶用機器メーカーに支えられてきたが、為替変動による調達リスクを軽減するため「今後、調達できる部材を一つひとつ増やす」(釜和明IHI社長)考えだ。
 また調達地域を拡大する観点から、早ければ2010年内にもインドに調達部門を設ける方向で検討している。現在、インドでの調達はシンガポールの要員が出張し対応している。ただ今後は現地でプラント工事や機械設備の受注が増えると予想される。そこで現地に調達要員を配置する方向で調整し、1年内にも具体案を決める方針だ。

同社の全売上高に占める海外売上高の割合は09年3月期で44%。海外調達比率も約30%を超え、上昇傾向にある。同本部は海外での調達先を増やし、エネルギーや機械など各事業部門からの調達要請に迅速に対応できる体制を敷く。

調達のポイント

需要地調達で安定供給

原動機やプラント、船舶など幅広く製品を製造するIHIは、資材の調達先を絞って調達規模を増やしコスト削減を促す手法が取りにくい。このため集中的な購買方式ではなく、新興国など調達費の安い海外から仕入れてコストを抑制している。
 特に中国と東南アジアの各国での調達を拡大している。近年は鋳物や歯車など自社製品に使う部品の品質が高まっており、採用しやすくなっている。需要地で調達することで安定的な供給体制を築ける利点もある。
 またインドも有力な調達先の一つ。現在は出張ベースで調達先と交渉しているが、今後はインドでの事業が拡充しプラント工事なども増えると見られる。そこでインドに調達要員を配置し、部品メーカーなどの開拓に努めたい意向だ。


掲載日:2010年4月20日

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