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変わる大手企業の購買戦略


知識身につけ集中購買−購入先に緊張感【Case.13 西部技研】

隈扶三郎社長

隈扶三郎社長

「ドバイのビルや国内外の工場で除湿の重要性が高まっている」。西部技研(福岡県古賀市)の隈扶三郎社長は気を引き締めている。同社は室内温度の変化を抑えて換気ができる全熱交換器や、ハニカム積層体を用いた大型デシカント除湿機などを手がける。2008年12月期売上高は過去最高の48億円を記録。だが08年秋以降の景気低迷を受けて「09年12月期売上高は前期比30%減と落ち込んだ」と明かす。そんな同社が課題に掲げるのが調達費用の削減だ。

印刷工場などで導入が進む有機性揮発化合物(VOC)除去装置の円形ローター

印刷工場などで導入が進む有機性揮発化合物(VOC)除去装置の円形ローター

「売上高の2%といえども相当な効果がある」(隈社長)。同社は10年12月期に材料費などを含む変動費を、売上高に対して2%削減する計画を打ち出した。
 同社製品の心臓部は、水分を吸着するためにシリカゲルなどを塗布したハニカム構造の円形ローター。ただローター以外の金属製外枠や送風機、ヒーターは協力企業への外注や購入で賄う。「外からの買い物は50%を超えるため売上高に占める割合は大きい」(同)と話す。「仮に売上高を40億円とすると、8000万円のコスト削減ができる計算になる」(同)と期待する。
 その一環として、国内3工場が単独で必要な部品を調達していた旧来の体制を見直した。本社内に「集中購買部」を設置、必要な部品や装置をまとめ買いすれば1個あたりの価格を低減できる。

隈社長は「当社は板金加工の技術を持たないので、相手の言い値を受けるだけのこともあった」と反省する。金属製の外枠は外注が多くを占める。このため「社員が板金の知識を身につける必要がある」と考える一方で、安価な部材を調達するため発注先の見直しにも着手する。そこには「購入先に緊張感を持っていただく狙いもある」(同)という。

全熱交換器の交換ローター

全熱交換器の交換ローター

また過剰スペックも見直す。製品は顧客の要望に応じてオーダー仕様で生産するため、「例えば金属枠の厚さが3.2ミリメートルだったのを2.7ミリメートルに変更すればそれだけで外注費用を抑えられる」(同)。営業と設計が一体となり、外部調達費の低減を狙う。

「日本製よりも30%安い韓国製の採用を購買部で調査している」(同)。空調機システムに組み込む送風機は日本製から低価格の海外製への置き換えを検討中だ。受注環境は09年10−12月期以降回復傾向にある。それでも隈社長は「まずは変動費の削減など自助努力に活路を見いだしたい」と決意をにじませる。

調達のポイント

海外製品の調達を加速

集中購買部を本社内に設置した。これまで国内3工場それぞれが部品を発注していたため重複部品が発生していた。本社の一括発注で、1個あたりの単価を抑えるなどの効果がある。
 同社製品は顧客の要望に応じて設計するオーダー仕様が多くを占めるため、今後は製品の設計を簡易化する。「品質を保ちながら、過剰なスペックは見直さなくてはいけない」と隈社長は狙いを話す。例えば、外注部品である金属製の外枠の厚さを数ミリメートル薄くして外注費を抑える。
 また、安価な海外製品の調達を加速する。すでに全熱交換器用のローターに塗布するアルミニウムは国内から中国製品に切り替えた。さらに、製品に組み込むヒーターや送風機は国内メーカーの既製品を購入しているが、韓国製品への置き換えを検討中だ。隈社長は「中国製では品質面で不安は残るが、韓国製なら価格は3割安くなり品質も確かだ」と海外調達率の向上に意欲を見せる。


掲載日:2010年3月 3日

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