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変わる大手企業の購買戦略


金型の海外調達へ、中韓8社をリストアップ【Case.8 天昇電気工業】

安藤武彦社長

安藤武彦社長

天昇電気工業は大手電機メーカー向け液晶テレビ外装部品や自動車向け成形部品の製造が主力。金型製造から成形、塗装、組み立てまでを一貫して行うのが強み。
 安藤武彦社長は1999年11月に社長に就任。樹脂関連部品の需要に支えられて売上高も上昇、就任当初の約80億円から最近では約300億円という成長ぶりだ。
 だが、09年3月期は社長就任後、初めて経常赤字に陥った。この数年、ポーランド、米国、メキシコに現地法人を相次ぎ設立するなど攻めの経営をしており、「気がつけば改善すべき点が至る所にある」(安藤社長)。このため、矢継ぎ早に対応策を講じている。

仕上げ検査員へ具体的事例を用いて品質指導を実施

仕上げ検査員へ具体的事例を用いて品質指導を実施

調達でまずメスを入れたのがコスト対策だ。一般的に金型にかかるコストの7割は人件費と償却費と言われる。
 同社は昨年暮れ、金型部門にコンサルタントを導入し、納期短縮や工数削減活動を始めた。今春、海外からの本格的な金型調達を目的にプロジェクトチームを発足、5月には韓国と中国の企業計8社をリストアップした。今後、プロジェクトのメンバーが定期的に企業に出向き、品質確認を進めていく。
 現在、福島と埼玉の工場での金型製造は、「年間60―70型、多くて100型までの製造が限界」(同)。だが、新製品の開発に伴う液晶テレビの金型は100型以上になることも珍しくない。従来通り国内で消化できるものは協力メーカーから調達しつつ、韓国や中国などからの調達を強化し、コスト競争力を高める。こうして培った金型技術を福島工場に集積化していく方針だ。
 一方、成形で使用する材料は取引先から素材を指定されているため、いかに無駄を減らせるかがカギとなる。

改善活動により誰が見ても当日出荷される製品状況が一目でわかるようになった

改善活動により誰が見ても当日出荷される製品状況が一目でわかるようになった

4月に本社と各工場の品質担当者が協議する場を設置した。各工場任せでいた原料の購入と量、不良原因やクレームについて本社に報告させることを徹底した。「仮に売り上げがこれまでの7割になっても、黒字を維持するには各工場の無駄を前年度比8割減にすることが必要だ」(同)と目標も高い。
 調達方法などの改善に伴い、生産目標に応じた成果主義の導入にも着手した。福島工場では生産、在庫、出荷の状況を一目で分かるボードを置いた。月産1万個の目標に対し、日によって5000個、700個などといったバラつきを解消するため、取引先と受注の平準化の交渉を進めている。さらに、生産や出荷時の標準的なタクトタイムも取り入れ、「客観的に分析できるシステム」(同)の構築に取り組んでいる。
 海外調達を強化しながらも、国内拠点での技術や生産技術の蓄積に向けた活動が続く。

調達のポイント

コスト低減と品質維持の両立が課題

天昇電気工業が重要分野と位置付けている自動車、テレビの需要は新興国での需要が拡大している。これに伴い、セットメーカーからのコスト低減要請も厳しい。このため金型の海外調達を推進しているが、コスト低減と品質維持の両立が課題になる。特に金型は製品の善し悪しに直接影響するため、韓国や中国の調達先企業に出向き、生産現場までチェックすることで、納得のいく金型を調達する努力を続けている。また、自社の工場で大型テレビ用など先端の金型製造をてがけ、そこで得られた知見を蓄積している。これを調達に生かす方法も検討しており、高い品質の金型を調達するノウハウを構築しようとしている。さらに本社、工場の品質担当者が協議する場を設けることで、原料の購入と量、不良原因やクレームについて、情報を一元化することを徹底している。


掲載日:2009年12月 2日

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