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変わる大手企業の購買戦略


部品サプライヤー網の再構築で生産効率の向上を図る【Case.7 OKIデータ】

OKIデータ福島事業所の製作現場

OKIデータ福島事業所の製作現場

OKIデータの福島事業所(福島市)は、いま、部品サプライヤー網を再構築中だ。阿部道郎生産統括本部生産センタ生産管理部長は「サプライヤーが多すぎたので、工場近郊のメーカーに集中させてJIT(ジャスト・イン・タイム)を進めたい」とその狙いを語る。2009年1月時点で433社あったサプライヤーの数を10年9月末までに180社に減らす計画だ。
 福島事業所は現在、伝票印刷などに使うドットインパクトプリンターや国内向けの発光ダイオード(LED)プリンターを製造する。専門プロジェクトを社内に立ち上げて、各サプライヤーとの取引状況の精査などを行った。同プロジェクトには購買課や調達統括、生産技術、品質管理部門から人員を集め、既存サプライヤーの精査・整理、統廃合、金型移管推進、品質管理を担当する4チームに分けて統廃合を進めている。そこで独SAP製の統合業務パッケージ(ERP)に登録してある433社をランク付けする手法を採用し、OKIデータにとっての重要度を5段階で評価した。

結果はAランク(重要サプライヤーで切り替え不可)が156社、Bランク(半年から1年で切り替え可能)128社、Cランク(転注が可能)58社、Dランク(変更予定あり)10社、Eランク(取引停止済み)81社だった。購入実績のないサプライヤーが64社あったほか、二重登録なども相当数見られたという。これを基に協力会社リストを編成し直して、実際の統廃合につなげる。
 購入額や部品数の少ないサプライヤーが主な対象のほか、モールド成形や板金加工部品は品種別に発注先を集約する。汎用品や電子部品は総合商社へ切り替えるなどして、サプライヤー数を減らしていく。
 サプライヤーの急激な統廃合でプリンターの品質に問題が生じては元も子もない。評価段階でQCD(品質・コスト・納期)の優劣を重要視したほか、生産は委託するものの金型はOKIデータの資産となっている場合も多いため金型移管も順次進める。モールドや板金用金型の移管は品質維持にとって重要な作業の一つだ。

OKIデータ福島事業所で生産するドットインパクトプリンター

OKIデータ福島事業所で生産するドットインパクトプリンター

ドットインパクトプリンターは複写伝票に宛名などを印刷することに使い、技術的には新しいものではない。大手メーカーの撤退が相次ぐ一方で、中国市場などでは依然需要が旺盛なためOKIデータは残存者利益を享受してきた。ただ、OKIグループは生産の主体を中国へ移しており、国内生産体制の再構築の一環として、08年後半の景気悪化も背中を押す形でサプライチェーン管理(SCM)を見直すことにした。
 JIT生産方式によるリードタイム短縮や在庫削減だけがサプライヤー統廃合で見込む効果ではない。発注・管理業務の負担を軽減できるほか、部品の集中購買により調達コストの低減にもつながる。
 同事業所はムダ取り活動のまっ最中で、09年度内に間接業務の効率化により間接要員を42%減らす計画だ。固定費全体の20%に相当する1億円を圧縮する見込みで、製造工程だけでなく、サプライヤーの発注・管理業務のムダ取りも欠かせない。

調達のポイント

調達の改善で内なるコスト改革を目指す

今回、同社がサプライヤーの選別に動いたのは、発注コストの引き下げばかりが狙いではない。調達に関わる自社の業務全般をスリム化し、固定費削減を通じて内なるコスト改革を呼び込もうとする別の意図がある。調達部門のコスト低減を変動費の枠にとどめず、人員削減まで見据えて取り組み始めたところに、従来にはなかった大手企業の危機意識がうかがえる。


掲載日:2009年11月 4日

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