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変わる大手企業の購買戦略


意見交換でグループ会社と最適調達【Case.6 住友電気工業】

住友電気工業は、2007年に設置した連携企画室を08年1月に「連携推進室」に格上げし、主要グループ会社の調達部門と連携を深めている。住友電工のグループ会社は世界に約300社あり、調達総額は年間1兆円に達する。国内での成果を海外でも本格的に展開する方針で、効率的な調達体制の確立を急ぐ。
 「水はどこから購入しているのか」
 2カ月に1度開く連携推進室の会議では、材料や部品だけでなく工業用水や段ボールなどの補助材料にまで意見交換が及ぶ。参加するグループ会社は住友電装や東海ゴム工業など22社。これとは別に情報交換して連携を図るグループ会社を含めれば40社を超える。巽泰規統轄資材部長は「それぞれの調達部門が話し合うことはほとんどなかった」と以前の状況を振り返る。

世界に300社のグループ企業を擁する住友電工本社

世界に300社のグループ企業を擁する住友電工本社

古くから使用する電線材料や塩化ビニールなどは、住友電工が一括購入してグループ会社に供給する仕組みを取っている。しかし、会社の規模と事業の拡大に伴い、グループ会社や取り扱う製品が多くなったものの、「調達連携が全体の動きにはなかなかならない」(巽部長)のが実情。調達額も膨らんできたため、グループでの連携に本腰を入れ始めた。
 この手法を海外でも水平展開する。「いま基盤をつくっておかなくてはならない」(同)と、海外子会社での導入を急いでいる。理由は明確。今後の拠点開設は主に海外となり、住友電工の海外売上高比率が現在の約40%からさらに増加するためだ。現段階で調達連携のノウハウを蓄えておけば、コスト削減などで事業の海外展開が有利に進められる。

中国の調達部門連絡会議

中国の調達部門連絡会議

具体的には住友電工が海外各地に置く国際調達拠点が主導して、現地で「調達部門連絡会」を開き、グループ会社を定期的に集めて調達部門が情報交換する。すでに中国とタイで補助材料のグループ調達を始めており、09年12月までに米国ロサンゼルスで実施する。「うるさいくらいに議論している」(同)と熱が入る。
 国際調達拠点の開設は、アジアの複数、米国東海岸などで必要としており、各地で調達連携の体制を整える。調達部門連絡会は、調達部員の教育やコンプライアンス(法令順守)の徹底にも活用。取引先の与信管理や財務諸表の見方などを教え、公平で公正な取引を指導する。

タイで開催された「逆展示会」

タイで開催された「逆展示会」

また、中国やタイでは「逆展示会(逆オークション)」と呼ぶ買い付け手法で、現地の段ボール会社や作業服会社などを招き、製品を住友電工のグループ会社に提案してもらう取組みを実施。低価格とグループ一括購入でコスト削減につなげている。
 巽部長は「中国でも技術レベルが向上すれば、現地メーカーの設備導入も可能になる」と、将来は電線製造設備などの現地調達も視野に入れる。目指すのは「世界最適地調達」により"ムダな物流"をなくすこと。性能と価格を吟味し、調達品と調達地域の選定に苦心する。
 ただグループ調達も「調達部門だけでは限界がある。事業部門や工場のニーズを取り込む」(同)として、国内では事業部門との意見交換会も始めている。住友電工のグループ調達改革はまだ始まったばかり。調達の全体最適に向けて、議論は続く。

調達のポイント

蓄積したノウハウの海外展開で調達の効率化を促進

国内で培ったグループ調達の効率化手法を海外展開することで、大きなコスト削減効果が期待できる。海外拠点間の調達部門による意見交換は、グループ最適化調達に向けた取組みの第一歩。工業用水などの補助材料のほか、今後は生産品に使う材料や生産設備を海外拠点が連携して調達することも視野に入れる。また、事業部門や工場との密な連携も求められてくる。国内では調達部門と事業部門の意見交換会をすでに開始しており、ここで蓄積したノウハウの海外展開が進めば、いっそう調達の効率化が図れる。


掲載日:2009年10月 6日

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