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変わる大手企業の購買戦略


他社との共同購買の動きも、受注はますます狭き門【Case.1 オンキヨー】

寺澤一弥EMS事業本部購買部長

寺澤一弥EMS事業本部購買部長

調達コストを下げるには、まず規模のメリットを追求することが有効な手段となる。しかしいずれの業界でも中堅メーカーにとっては、独力でできる範囲に限りがある。そこでオーディオ機器専業メーカーであるオンキヨーは、社外の調達力を利用する道を選んだ。

オンキヨーは2008年10月、マレーシアのS&Oエレクトロニクス(当時はシャープ・ロキシーコーポレーション、ケダ州)に40%出資した。S&Oは、同じく40%出資するシャープのオーディオ製品などを生産する拠点だが、なぜ他社の現地法人の株主にわざわざなったのか。その狙いはシャープの調達力にほかならない。「われわれの全社の調達額は年400億円もないが、シャープは2兆円近いのでは。そこに期待している」と、寺沢一弥EMS事業本部購買部長は説明する。

オンキヨーの主力商品はAVレシーバーと呼ばれるオーディオ機器。ホームシアター向けに国内だけでなく欧米でも高いシェアを誇る。こだわりが強い顧客層を意識するオーディオ製品だけに、部品の40%は設計段階から指定して調達するが、残り60%は汎用部品で工場購買が基本。しかしテレビや録画機などと比べ市場規模は小さく、部品メーカーに対する交渉力は決して強くなかった。

オンキヨーが出資したシャープの生産拠点(マレーシアのS&Oエレクトロニクス)

オンキヨーが出資したシャープの生産拠点(マレーシアのS&Oエレクトロニクス)

オンキヨーの生産拠点もマレーシアにある。2006年から繁忙期対策としてS&Oへ生産を一部委託していたが、部品はすべてオンキヨーが持ち込む形で、調達面でのメリットはなかった。しかし今春からは生産台数が多い主力機種を、モデルチェンジ当初からS&Oでの生産に振り替え、抵抗やコンデンサーといった汎用部品もS&Oが調達する部品へと切り替えた。

実質的にシャープとの共同購買としてスケールメリットを得た。2010年度以降は樹脂やアルミ、銅など機構部品材料へと品目を拡大する。

もっともゴールはまだ先だ。最終的にはシャープが自社製品で使っている部品を設計段階から選択肢に組み入れるとともに、S&Oの生産設備や生産技術を前提とした設計を行うことも課題となる。「設計からS&Oと協業することで、コストダウンできる範囲がさらに広がる」と寺沢部長は意気込む。そのため出資を機に、S&Oへ技術者も常駐させた。

マレーシアの従来の生産拠点であるオンキヨーアジアエレクトロニクス(スランゴール州)バンギ工場では、ハイエンド(中・高級品)で手間がかかる少量品の生産に特化。2009年度にはAVレシーバーの年産150万台のうち、約40%をS&Oへ移管することになる。

調達のポイント

汎用部品の納入条件、一段と厳しく

デジタル製品の世界で価格競争力を発揮するには、もはやアジアへの生産移管だけでは足りないのが現状だ。薄型テレビではODM(相手先ブランドによる開発・製造)により台湾や中国のメーカーに丸投げする例さえ出始めている。趣味性の高いオーディオ機器でもその例外ではない。

汎用部品では、より低コストで大量に供給できるメーカーだけが生き残ることができる。その競争から逃れるには、より差別化された部品で設計段階からセットメーカーへ食い込むしかないが、その道はますます狭き門となりつつある。


掲載日:2009年6月22日

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