
全長1kmのアーケードを活用しイベント中心市街地の衰退が叫ばれる中、「日本で最も元気な商店街」と呼ばれる商店街が長崎県佐世保市にある。させぼ四ケ町商店街や佐世保三ケ町商店街などで構成する「さるくシティ4○3(よんまるさん)アーケード」だ。日本一長いと言われる全長1kmメートルのアーケードを活用し、ユニークなイベントを仕掛け多くの人を呼び込んでいる。 九州の北西部に位置する同市は明治期から軍港として栄え、現在は米国の海軍や海上自衛隊の基地がある。また市周辺には西海国立公園やテーマパークのハウステンボスもあり、観光業や造船業などが盛んな地域だ。だが、こうした後背地を持つ同市の商店街も1990年代半ばまでは景気低迷や人口の減少などで厳しい環境が続いていた。 そんな港町に転機が訪れたのは96年。同市の郊外に大型商業施設の開業が決まったことがきっかけだ。させぼ四ケ町商店街協同組合の竹本慶三理事長(佐世保市商店街連合会長)は「まさに黒船の来航だった」と当時を振り返る。顧客の流出が一段と加速すると危機感を抱いた商店主らは、自らの手でまちなかの再生に立ち上がった。 参加型イベントでにぎわいを演出![]() 多くの人が訪れる「きらきらフェスティバル」 このとき、竹本理事長らが重要視したのが「にぎわいの演出」だ。イベントを実施し顧客を商店街に呼び込むことで、ひいては商品が売れるという構図を考えた。そこで活気のある雰囲気を作り出すため、商店街周辺を電球で飾る「きらきらフェスティバル」を計画。このイベントを商業施設開業の前年である96年の年末に実施し、多くの人を集めることに成功した。 現在では電飾に加え、アーケードを会場にしたチャリティーパーティや結婚式、隣接する公園で歌う音楽会など市民参加型のイベントを開いている。05年のフェスティバル期間中の約1カ月には約54万人が訪れたという。イベントの予算も行政だけに頼るのではなく地場企業や住民から協賛金を集めるなど、地域ぐるみで盛り上げている。 このほかにも「よさこい」と呼ばれる踊りの祭典や、1月2日に実施する初売りなど年間を通じて催事を開催。全国各地から自治体や商店街の関係者が視察に訪れるほど、まちを活性化することに成功した。 天然のコンパクトシティ佐世保市で最も大きな商店街のさるくシティ4○3アーケードは市内に米軍基地があるため、通行客や店舗は国際色豊かだ。平日でも住民らが絶え間なく通行しており、ここでは中心市街地の衰退は感じられない。 活気がある要因の一つとして、商店街周辺に主要な施設が集まっていることがあげられる。アーケード中央部にデパートや公園、美術館があるほか、文化施設や総合病院なども隣接している。また休日には必ずと言っていいほどイベントを実施しており、顧客の囲い込みに努めている。 課題は通行客をいかにして顧客にするかだ。にぎわいが商品の販売につながらなければ意味がない。そこで、させぼ四ケ町商店街は各店舗ごとにユニークな商品を選び出し、売り込む取り組みを始めている。 長崎県佐世保市 させぼ四ケ町商店街の概要
|