若手後継者がイベント活動を支える
30代を中心に盛岡市肴町商店街振興組合青年部「4S会」の十数人がイベントの景品やディスプレーの準備に大忙し。同商店街振興組合事務所の会議室でよく見られる光景だ。「4S会」の前身の発足は1972年で、振興組合の設立前。駅前の大通商店街との競合、大通へのダイエー出店などで危機感を持った商店街の若い後継者が活性化に向けてさまざまなイベントを仕掛けていったのが今日まで引き継がれている。同商店街活性化の原動力ともいえる。
その活動のベースとなっているのが、盛岡市で唯一の全蓋(ぜんがい)アーケード。全長356メートルで、83年に完成、01年にリニューアルした。全天候で通年、イベントが行え、来街者にとっても天候を気にせず安心して歩けるのが魅力。中核店舗の中三デパートの集客力とも相まって同商店街の大きな武器になっている。
その全蓋アーケードを活用して、節分祭(2月)、春祭り(4月)、チャグチャグ馬コ祭り(6月)、盛岡七夕まつり(8月)、ハロウィーン・フェスティバル(10月)など、毎月イベントを実施、七夕まつりでは4日間で15万人の動員があった。各種の個別イベントやセールなども随時実施、いつも何かが行われているという印象が定着している。また買い物をするとポイントがたまる「JOYカード」、イベントに参加するとポイントがもらえる「キッズクラブ」などさまざまな誘客の仕掛けや情報プラザ、情報紙(月1回発行)、WEBサイトなどによる情報発信にも熱心。これらの活動を実質的に支えているのも「4S会」だ。
ユニバーサルデザインを志向
また豊岡卓司・同商店街振興組合理事長の「商店街は福祉的・公共的な広場、コミュニティーゾーンを提供する役割も重要」との考えの基に、ユニバーサルデザイン的な志向も打ち出している。段差のない路面やカラー舗装、大型ビジョンなどを導入しているほか、アーケード内に20台あまり設置したベンチではお年寄りや買い物客が一休みするのに役立っている。団体、とりわけ地元や他地域の修学旅行や社会学習も積極的に受け入れており、小学生の訪問は年間で延べ1000人を超えるという。来街者に親しまれる取り組みの一例といえる。
おしゃれな買い物をする商店街
肴町商店街は南部氏の盛岡城築城以来、400年あまりの歴史がある。「肴町」の名の由来は定かではないが、城の台所として食材や酒のさかなを扱っていたことにあるのではとの説も。
いずれにしても盛岡市内の老舗商店街で、現在でもおしゃれな衣料品や日用雑貨の買い物をする商店街としての評価が高い。それだけに個性的・魅力的な個店も多く、各店それぞれ「接客・接遇」のレベル・アップに力を入れている。組合としてのまとまりもよく、商店街が一体となって取り組んでいるのも大きな特徴。
ただここ数年、郊外型の大型ショッピングセンターが立地、影響が出始めている。商店街の魅力を維持し、いかに来街者、売り上げを確保していくかが課題といえる。
岩手県盛岡市 盛岡市肴町(さかなちょう)商店街の概要
| 商圏の規模(人口) |
30万人 |
| アクセス等 |
最寄鉄道の駅:JR盛岡駅
鉄道の駅までの距離:2km |
商圏を形成する上で
大きな役割を持つ周辺施設 |
神社仏閣:盛岡八幡宮
観光施設:岩手銀行中ノ橋支店、もりおか啄木・賢治青春館(重要文化財) |
| 商店街を形成する店舗数 |
85店舗 |
| イベントの回数 |
イベント開催数:月/1回
特徴的イベント:七夕まつり(8月4〜7日)
集客効果(動員人数):15万人 |
| 共通施設 |
アーケードの有無:有
駐車場:70台収容
駐輪場:150台収容 |