
![]() 稲毛商店街 |
批判し合える信頼関係を生かして稲毛商店街が2006年に始めた各店が一押し商品をアピールする「一店逸品運動」が2年目を迎えた。商学連携プロジェクトで始まった運動だが、今回からは商店街が主導する。06年6月から計9回の勉強会を実施。13店舗が参加し、各店の逸品を選ぶ際は全員の意見を取り入れ厳しく議論した。「商品が古くさい。店構えが悪い。おもしろみがない」など互いに批判。いなげ逸品フェア実行委員会の若井雅義委員長は「本音をぶちまけるチャンスにできた」と打ち明ける。 地元の人でさえ何を売っている店か知らない人が多いのではないか、という危機感を感じたのは3年前。客足が遠のく現状を外部から指摘された。個人商店は敷居が高い、閉鎖的、入りにくいというイメージであることに気が付いた。そこで始めた「一店逸品運動」は商店街をアピールするよりも、自分たちの存在価値を見直すきっかけになった。「一体何が自慢できるのか真剣に考え始めた」(同)と振り返る。 商店街を挙げて運動を進めていくうち、他店の商品の特徴や良さを知った。商店街全体の情報の共有は客とのコミュニケーションに広がりを持たせている。「モノを買うだけではない、ほっとできる地域の空間にしたい」(同)というビジョンを目指す大きな転換点になった。 学生のアイデアを生かしたイベント実施04年に千葉大学工学部の学生らが研究の一環として稲毛商店街を調査し、プレゼンテーションを実施。斬新な学生のアイデアが認められ06年度千葉県商店街地域連携モデル事業のグランプリを獲得した。 06年12月に夜の商店街を灯籠(とうろう)で照らすイベントを開催。小学校や敬老会など地域の人たちによる手作りの灯籠を飾ったイベントは、学生らの宣伝効果もあって遠方からの来客も多かった。夜灯(よとぼし)実行委員会の海宝周一委員長は「地域の人が手伝ってくれたことで、地域コミニュティに生きる我々の存在価値を実感した」と評価する。
道路の整備が急務90年代になってJR京葉線、千葉都市モノレールが開通。広域からの客足が徐々に途絶えた。また近隣の大型スーパー開業で食品や生活必需品がそろう商店街としての役割は薄れ始めた。京成電鉄稲毛駅の前に位置し、千葉の中心地と近い立地条件の良さが強みだ。駅を利用する地域住民がスーパーやコンビニエンスストアとは違う魅力を感じてくれるようイベントやフェアを通してアピールしていく。 高齢者や若い親子が安心して利用する商店街にしていくために、道路の整備が求められる。「自動車が頻繁に通る状況では少子高齢時代のニーズに対応できない」(海宝委員長)と頭を悩ませている。人が行き交う稲毛商店街をつくるため、ハード面の整備も待たれるところだ。 千葉県千葉市 稲毛商店街の概要
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