
月に1度の弘法市が集客の目玉に毎月第3土曜日になると、勝川駅前通商店街(愛知県春日井市)では、採れたて野菜、手作り雑貨、焼き鳥や団子といった露店がズラリと並ぶ「勝川弘法市」が開かれる。大道芸人やバンドの演奏もあり、子供から大人まで集い、縁日のようなにぎわいを見せる。約100張のテントを貸し出し、弘法市を運営するのは商店主の有志やボランティアら約15人。4年前から取り組んでいる。 出店者は商店街の店主以外からも広く募集。1回3千円前後のテント貸出料で出店でき、売り上げは、すべて出店者の収入となる。ただし「『自慢の逸品』を持って出店することが原則」だ。 弘法市の成功の秘訣(ひけつ)は「定期的に開催すること」と同商店街振興組合の長縄秀男理事長は分析する。今では「第3土曜は弘法市の日」が地域に定着した。年間運営費は組合費から拠出する240万円、自治体からの助成金40万円のほか、約180万円の出店料収入でまかなっている。大道芸人やバンドの出演料も運営費から出す。 商店街に親しんでもらうため、弘法市のほかにも、いろいろ工夫している。商店街のマスコット「勝コボくん」は長縄理事長が知人にデザインを依頼し作成した。ホームページや案内図などにも必ず登場。勝コボくんの携帯ストラップを売り出したところ、初回発売の500個が完売し、追加注文するほどの人気だ。 子供にも好評は買い物スタンプ
人を楽しませる細かな仕掛け、加えて、採算に乗る運営を徹底することで、にぎわいを見せる勝川駅前通商店街。商店街の売り上げが飛躍的に伸びているわけではないが、人が集まる仕組みができたことは大きな変化だ。自治体に対しては助成金確保や道路舗装などを積極的に要請する。長縄理事長は「(商店街振興は)悩むよりもまず行動すること。スピードが大事」と言い切る。 バス停など建設を行政に積極提案勝川駅前通商店街はJR中央本線の勝川駅から徒歩約5分の位置にある。JR名古屋駅から15分強と都心へのアクセスも良好。現在、第一種市街地再開発事業の工事が進行中で、駅前ではテナントビルや分譲マンション、立体駐車場の完成が近づいている。 月に1度の弘法市でファンを増やしただけに、これをチャンスに恒常的に人を呼び込む仕組みを作りたいところだ。同商店街振興組合では、商店街北端の国道19号線沿いに、大学バスや企業バスが発着するバス停や駐車場を建設する構想を市などに提案中だ。実現すれば、勝川駅までを直線で結ぶ商店街の人通りは増え、商業地として立地基盤はアップする。 時に、積極的に行政に働きかける一方で、自らもソフト、ハード両面で人々が楽しく集える商店街づくりに挑んでいる。 愛知県春日井市 勝川駅前通商店街の概要
|