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商標出願

テーマ:特許

2005年10月13日

解説者

弁護士 小川憲久

ライブドアの社長の愛称「ホリエモン」が4社から商標申請されていると話題になっています。また、中国では昭和天皇、天皇陛下、皇太子殿下に酷似した顔写真デザインを商標登録申請したと報じられています。これらの申請はどう扱われるのでしょうか。


「ホリエモン」の商標登録申請は、本年2月28日に東京都北区の会社が被服・履物、おもちゃ・人形・遊戯用器具、菓子・パンという商品分類で商標登録申請し、3月22日にライブドアが同様の商品群を含む多くの商品分類に対して申請し、更に3月24日、3月29日に別の2社が商標登録申請しました。商標登録は、対象とする商品やサービスのカテゴリごとに出願することとされていますが、同一カテゴリに複数申請があった場合には原則として先に出願した方に優先的に登録が認められます。そこで、原則通りであれば被服・履物、おもちゃ・人形・遊戯用器具、菓子・パンを含む商品群のカテゴリでは北区の会社の申請が優先されて登録されることになります。


ところで、商標登録していない商標であっても、ある商品や役務の商標として「需要者の間に広く認識されている」商標については、他人に商標登録を認めるとそれを付した商品がいずれの事業者の商品か区別ができないことになって、いわゆる「出所の混同」を生じるおそれがあり、従前より当該商標を使用していた事業所の利益を害することになります。そこで、商標法はこのような商標については、他の事業者は商標登録を受けることができないとしています(商標法4条1項10号)。また、他人の氏名や著名な略称を含む商標についても当該他人の承諾を得なければ商標登録を受けることができないとされています(8号)。さらに、他人の業務にかかる商品・役務と混同を生じるおそれのある場合にも商標登録を受けることができません(15号)。したがって、「ホリエモン」がライブドアの商品や役務の商標として需要者間に広く認識されている、またはライブドアの業務にかかる商品・役務と混同を生じるおそれがある、あるいは、堀江氏の著名な略称であると審査官によって判断された場合には、他の事業者は商標登録を受けることができないことになります。


昭和天皇、天皇陛下、皇太子殿下に酷似した顔写真デザインの商標については、日本の商標法のもとでは次のように考えられます。先ず、商標法は「公の秩序または善良の風俗を害するおそれのある商標」は登録をすることができないとされており(7号)、昭和天皇、天皇陛下、皇太子殿下の肖像は皇室の憲法上の地位から見てこれを商標とすることは公序良俗に反することになります。したがって、昭和天皇、天皇陛下、皇太子殿下の肖像は商標とすることはできないことになります。ちなみに、他人の肖像を含む商標は前記の他人の氏名を含む商標と同様に、当該他人の承諾がなくては登録できません。そしてこの規定は人格権保護のためのものであることから、他人とは生存者を意味していると解されています。しかし、昭和天皇、天皇陛下、皇太子殿下の肖像については、たとえ承諾があっても全て公序良俗の観点から商標登録できないと考えるのが正論と思われます。問題は、中国における商標登録申請であることです。中国の商標法における登録拒絶事由のいずれにあたるかは判明しませんが、中国もWTOに加盟していることから世界の標準的な取り扱いが必要とされており、外国要人の肖像として登録は不適切であるとの判断がされるものと思われます。


(2005年6月執筆)


小川憲久
 役職
   (財)ソフトウェア情報センター 特別研究員
   法とコンピュータ学会 理事
   東京工業大学非常勤講師(1998-2002)

このコンテンツは「法律情報メールマガジンLIMM」より提供されております
e-hoki.com LIMMにおける掲載時点(2005年6月17日掲載分)での執筆物であるため、その後の法改正等により、情報が古くなっている場合も、あり得ます。

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