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消費者保護と景表法について

テーマ:宣伝・販促

2005年12月15日

解説者

弁護士 壇俊光

1 始めに

最近、あるレストランが公正取引委員会からステーキの表示に関して排除命令を受けたニュースを覚えているでしょうか。
公正取引委員会というと、闇カルテルなどの独占禁止法の問題を扱うというイメージが強いので、公正取引委員会が、食品の表示について排除命令をしたというのは、驚かれた方も多いのではないでしょうか。
しかし、公正取引委員会は、景表法により商品の不当な表示について、排除命令を出すこともできるのです。


2 不当景品及び不当表示防止法

景表法の正式名称は「不当景品類及び不当表示防止法」といいます。
これは、独占禁止法の特例として定められた法律です(景表法第1条)。
景表法の規定によれば、商品や役務の表示が、不当な表示(景表法4条)に該当する場合は、公正取引委員会は排除命令(6条)を出すことが出来ます。
不当な表示とされる場合は以下の3つの類型があります(景表法4条1項)


<1>商品の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対して、実際のものよりも著しく優良と表示する場合や他の事業者のそれよりも著しく優良であると示すことにより、不当に顧客を誘引するおそれがある場合...優良誤認
なお、公正取引員会は、優良誤認に該当するかを判断するために、表示の根拠となる資料の提出を求めることができ、資料を提出しない場合は、優良誤認の表示に該当するとみなすことができます(景表法4条2項)。


<2>商品又は役務の価格や取引条件について、実際のもの又は当該事業者と競争関係にある他の事業者のものよりも有利であると、一般消費者に誤認されるため、不当に顧客を誘引するおそれがある場合...有利誤認


<3>一般消費者に誤認され、不当に顧客を誘引するおそれのあるものとして、公正取引委員会が指定したもの。
なお、<3>については、無果汁の清涼飲料水等についての表示 (昭和48 年公取委告示第4 号)、 商品の原産国に関する不当な表示 (昭和48 年公取委告示第34 号)、 消費者信用の融資費用に関する不当な表示 (昭和55 年公取委告示第13 号)、不動産のおとり広告に関する表示 (昭和55 年公取委告示第14 号)、おとり広告に関する表示 (平成5 年公取委告示第17 号)、有料老人ホーム等に関する不当な表示 (平成16 年公取委告示第3 号)があります。


3 景表法のもつ消費者保護法的側面

景表法は、本来、公正な取引のために制定された法律なのですが、独占禁止法がどちらかといえば取引の態様に着目しているのに対して、景表法は、取引のルールを逸脱するような不当な表示によって、秩序ある競争を妨げる行為を排除することを目的としています。
景表法も独占禁止法も、直接的な目的は、「公正な競争の確保」にありますが、究極的には、不当な独占状態を解消することによって、「一般消費者の利益の保護」を目的とする法律であり、消費者契約法等の消費者法と目的とするところは同じと言えます。
このような、公正取引委員会の消費者保護的活動は、今回の事件などからみて、今後活発になっていくと思われます。


4 中小企業に求められる表示の適正

上記のとおり、公正取引委員会の活動が活発化することにより、商品や役務について、あらかじめ相当な資料が無い場合は、みなし規定により商品の表示が禁止されることが予想されます。(公正取引委員会)のプレスリリースには、排除命令を出した場合は記事が掲載されますので、どのような表示が禁止されているのかをときどき確認しておくことが必要です。
確かに、このような表示義務は、中小企業にとって資料の準備を余儀なくされる点で、かなりの負担となる側面があります。しかし、今日の消費者活動を見る限り、商品に適正な表示がなされない場合は消費者の信頼を勝ち得ず、長い目で見ればその市場の低迷をまねき、事業者の不利益となります。過去において排除命令がなされた企業の多くが倒産に至っていることは、注目すべきでしょう。
今回の排除命令から、消費者の信頼を勝ち取るために適正な表示をすることが企業に求められていると言えましょう。


(2005年12月執筆)


壇俊光 (ダントシミツ)
出身地 大阪
資格  弁護士 大阪弁護士会所属
役職  大阪弁護士会消費者保護委員会会員
     大阪弁護士会図書情報処理委員会会員
     大阪弁護士会犯罪被害者支援委員会会員
     法情報ネットワーク法学会会員

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