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M&A以外の組織編成形態

テーマ:事業承継・再生・廃業

2005年10月27日

解説者

弁護士 井田雅貴

1 皆様はM&A(Mergers and Acquisitions)という用語についてはよくお聞きかと存じますが、近時、○○ファンドが□□会社の筆頭株主となり、MBOを提案した、等という話もお聞きになったことがあるかと存じます。そこで今回は、M&A以外の組織編成形態につき、MBOといわれるものについて述べてみたいと存じます。


2 MBOとは、Management Buy Outの略称であり、具体的には、買収対象企業の株主から経営委任を受けていた経営陣等が株主から株式を買収する手法をいいます。要するに、株式会社の所有と経営を一致させることですが、これにも様々な形態があり


(1)対象株式会社の取締役等、経営に関わっていた者達が株主から株式を買収する(単純なMBO)あるいは経営参画を望む従業員も出資して株式を買い取る(MEBOといわれます)
(2)対象会社の外部である者達(いわゆるプロマネジメント)が株主から株式を買収するにあたり、対象会社の取締役等に就任する(MBIといわれます)
(3)投資家グループ(例えばベンチャーファンド)が対象会社に投資をするだけではなく、経営の人材までをも送り込む(IBOといわれます)
(4)従来の経営陣は信頼できないので、従業員が投資家グループ等の協力を得て対象会社の株式を買い取り、従業員らが経営に関与する(EBOといわれます)

というケースが想定できます。


これ自体に劇的な経営刷新の効果があるのか、と疑問を持つ向きもありましょう。正にそのとおりで、上記はあくまで既存会社の経営陣を温存・交代させるため、あるいは新会社設立にあたり既存の経営陣を温存・交代するための1手法に過ぎません。単純に経営陣を温存・交代させるだけでは問題が解決しない、という場合には、これに会社更生、民事再生を加える、あるいは旧会社を存続させる意味がないというのであれば破産させて旧会社を倒産させる(その前に受け皿会社を設立しておき、既存の営業の温存を図る)、という組み合わせも必要となります。


MBOの存在意義は、要するに、自分たちであればより上手に対象会社の経営をなすことができる(ひいてはそれにより利益を得ることができる)と考える者が、多数の株式を取得することで実質的に会社の意思を支配し、自らの経営意思を実現するという点に尽きます。この手法は対象会社外部の資本(必要であれば之に加えて経営)が投入されないと成り立たないものではありますが、その前提として、対象会社の経営資源(従業員、営業設備)の程度や対象会社の迅速かつ正確な情報開示が必要です。特にいわゆる中小企業の企業編成については、会社内の正確な情報開示がないために望外の損失を被った(典型的には簿外債務の存在)という例もままありますので、企業編成においては、やはり対象会社に対する正確な情報を把握することが必要でしょう。


(2005年10月執筆)


弁護士 井田雅貴(いだ まさき)
平成4年3月  京都産業大学法学部卒業
平成7年10月  司法試験2次試験合格
平成10年4月  京都弁護士会に登録
京都の法律事務所にて勤務
平成14年1月 大分県弁護士会に登録替。
大分市内にて「リブラ法律事務所」を開設。

著書:「Q&A消費者契約法」ぎょうせい
「コンメンタール消費者契約法」商事法務研究会
(いずれも、共同執筆)
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