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法律コラム


2007年2月 1日|弁護士 齋藤貴弘

いよいよ弁護士大幅増員。企業への影響は?

弁護士 齋藤貴弘

1 弁護士人口の大幅増員

平成19年以降、法曹人口がかつてない規模で増加することをご存じでしょうか。
1年度に誕生する法曹の人数は平成15年度が約1000人、平成18年度が約1500人程度でした。しかしながら、ロースクール卒業生が法曹資格を得る平成19年度には約2500人の法曹が生まれ、さらに数年後には毎年3000人もの法曹が誕生するようになります。このうちの多くが弁護士になります。今後、皆様の周りにかつてない人数の弁護士が登場することになるでしょう。

2 法務強化の要請

このような弁護士大幅増員は法務強化を求める経済界からの要請によるものでした。中小企業にとっても今後このような法務強化の要請は強まっていくでしょう。弁護士人数増加によって、中小企業が弁護士による法的なサービスを受けやすい環境が整うことが期待できます。

3 弁護士との協働場面

中小企業が増員した弁護士から法的サービスのメリットを受けることのできる場面として様々なものが考えられます。
例えば、近時話題の事業承継に関する法律問題処理があります。せっかく事業を築き上げたにもかかわらず後継者を見つけることができないため、創業者の引退によって廃業してしまう企業が増えています。高度経済成長を支えた筋金入りの技術、ノウハウの発展が一代で途絶えてしまうのは、企業及び社会全てにとって非常に惜しいことです。企業は会社法、相続法等の適切な法技術によって事業承継を行っていくことが重要になっていくでしょう。
その他にも、コンプライアンス体制の拡充、外国企業に対する競争力強化等に関して中小企業の法務強化の必要性が言われています。近年のコンプライアンスに対する意識の高まりからすると中小企業においても今後コンプライアンス体制を十分整えておく必要があります。また、国際化が進む中、多数の弁護士を抱え法律武装した外国企業と対等な取引をするためには、企業は専門的な法律知識及びそれに裏付けられた交渉力を備えておく必要があるでしょう。

4 弁護士とのかかわり方の多様化

弁護士増員によって、法律事務所の専門化、大型化が進み、また企業内弁護士も増加すると言われています。今後企業と弁護士の関わり方も多様化していくでしょう。そこで、企業としてはどのような形で弁護士と協働するのがもっともメリットとなるのかを、得たいサービスの種類、費用対効果などを検討し積極的に選択していく必要が出てくるでしょう。弁護士会としても、弁護士に関する様々な情報を一般に公開していく方法を検討しています。

5 問題点とその対策

もっとも、弁護士大幅増員に対しては問題点も指摘されています。代表的な問題点しては、法曹教育体制の不整備や弁護士間の過当競争によって法曹の質が低下するというものがあります。この点は弁護士の側で十分な対策を立てる必要があります。個々の弁護士が努力をする必要があることはもちろんですが、弁護士会としても業務推進センターを設立するなどして様々な対策を講じているところです。

6 まとめ

弁護士大幅増員は、弁護士にとって厳しい競争時代への入り口となるでしょう。
もっとも、これは企業の方からすると歓迎するべきことであるように思います。多くの弁護士は今後の新しい法曹界に対して良い意味での危機感と挑戦心を持っています。このような弁護士達は、社会の期待に応えられるよう必死に努力と工夫を重ね、さらに高度な力を身につけていくでしょう。企業としては、このような弁護士と上手に協働することで、会社を様々なリスクから守り、また会社を発展させていくことが可能になるのではないでしょうか。

(2006年12月執筆)

弁護士 齋藤貴弘 さいとう たかひろ

昭和51年1月 東京都生まれ
平成12年3月 学習院大学法学部卒業
平成16年11月 司法試験合格
平成17年4月 司法研修所入所(59期)
平成18年10月 弁護士登録(第二東京弁護士会)
現在、栄枝総合法律事務所勤務

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