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取引先が代金を払ってくれないときは

テーマ:契約・取引

2006年2月23日

解説者

弁護士 浜田慶信

取引先が売買代金や請負代金を支払ってくれないということはありませんか。そのときどうしていますか。


実際、弁護士の業務をしていて代金回収の相談にいらっしゃる社長さんは少なくありません。代金回収のためにはどんな方法があるのか以下で見ていきたいと思います。


まずはじめに、弁護士に依頼して弁護士名義の内容証明郵便を相手方に送付して未払代金の支払を求めてもらう方法が考えられます。例えば「2週間以内に支払がない場合には法的手続をとります。」などという警告的な文言を書き加えて相手方の支払を促します。弁護士名義の内容証明郵便を送った時点で直ちに相手方が未払代金を払ってくるケースもありますし、今は苦しいので分割払で何とかならないかということで分割払の合意をとりかわすケースもあります。


だ、すべてが上記のようにうまくいくわけでは決してありませんので、そのときは第二の手段として裁判所を利用する手続が考えられます。裁判所を利用する手続にも色々とあるのですが、簡便かつ安価な方法として「支払督促の申立て」があります。支払督促を申し立てると、裁判所は代金を支払わない相手方に対し「債務者は...金額を債権者に支払え。」という強い文言の記載された書面を送ってくれます。裁判所から書面が相手方に直接届くため、この時点で支払われるケースも少なくありません。もし支払督促を申し立てても相手方が未払代金を支払わず、支払督促に対し何ら異議申立てを行わない場合には、判決を受けたときと同様の効力が付与されることになり相手方の財産に強制執行できる資格を得ることができます。


ただ、もし異議が出されてしまうと後に述べる通常訴訟に移行してしまいますので、前もって相手方が争うことが目に見えているようなときには支払督促手続ではなくて、一気に訴訟を提起してしまうことの方が私は多いです。


「訴訟手続」に関して言えば、請求額が140万円を超えると地方裁判所の、140万円以下だと簡易裁判所の管轄になります。通常の訴訟手続では当事者双方が主張と反論を繰り返して慎重に審理を進めてゆきますので、相手方が未払代金の存在や未払代金額を争うようなときには確実に長引きます。基本的に訴訟の期日は月に1回程度しか入りませんので感覚的には半年などあっという間に過ぎてしまいます。


そのような時間のロスを防ぎたい方のためには「少額訴訟手続」が用意されていて、請求額が60万円以下の場合に利用することができます。この少額訴訟手続では原則として最初の期日だけで審理を完了し直ちに判決をすることになっていますのでスピード重視の方には向いている手続かと思いますが、一方で審理の慎重さという面では心配になる方もいるかもしれません。しかもこの手続では控訴が禁止されているので上級審で改めて審理をしてもらうことができない点にも注意が必要です。また支払督促と同様に相手方から申立てがあると通常訴訟に移行してしまいます。このように少額訴訟手続は訴訟とはいっても通常訴訟とは随分と異なっています。


以上、代金回収のためにとり得る方法を見てきましたが、問題はどこまでを弁護士に依頼してどこまでをご自分たちで遂行されるかだと思います。やはり弁護士に頼むとなるとそれなりに費用がかかりますから・・・。


個人的な意見としては支払督促手続と少額訴訟手続は弁護士に頼まずとも十分に可能であると思います。少額訴訟手続は異議が出なければ短期間で終わりますし、支払督促手続に至っては法廷に行かずとも書類のやりとりで終了してしまいます。進め方についても簡易裁判所の窓口に行けば定型的な申立書や訴状が備えられていて受付の書記官が手続について説明してくれると思います。一方、通常訴訟では前述のとおり月に1回ほど、しかも平日の午前10時から午後5時までに期日が入るので忙しい社長さんにとっては煩わしいでしょうし、とくに相手方が争っているようなときは、どのように立証するかという専門的な問題もありますので、通常訴訟は弁護士に任せた方が無難といえるでしょうか。


(2006年2月執筆)


弁護士 浜田慶信

1971年 2月  川崎市生まれ
1995年 3月  一橋大学法学部卒業
1999年10月  司法試験合格
2000年 3月  京都大学大学院法学研究科卒業
2001年10月  弁護士登録(横浜弁護士会)
現在 横浜ランドマーク法律事務所勤務

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