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新会社法下における資金調達〜社債

テーマ:資金調達

2006年3月23日

解説者

弁護士 土橋央征

1 新会社法について

周知の通り、新たに会社法が成立し、同法は平成18年5月頃施行予定となっています。新会社法は、従来の商法の会社の規定を全面的に改正したものですが、この改正の最も重要なポイントは、小規模な会社を前提に規定が組み替えられたことです。従来の商法は、株式会社は株式を公開する大会社を前提としていましたが、新会社法では株式を公開しない小規模な会社を前提にすることとなりました。そのため、以前はベンチャー企業などにとって使いづらかった制度も、使いやすくなりました。
今回は、その中で、社債制度についてご説明します。


2 社債制度改正の要点

新会社法では、社債発行主体に関する制限を撤廃し、会社の資金調達の機動性確保・円滑化の観点から、従来の規制を撤廃ないし緩和しています。一方で、昨今、社債発行会社が債務不履行に陥るケースが相次いでいることなどから、社債管理者の責任を強化しています。


3 社債の発行主体の制限撤廃

従来の商法では、有限会社は社債を発行できず、また、合名・合資会社も社債が発行できるかどうか、明確な規定はありませんでした。しかし、新会社法では、すべての会社が社債を発行できることになりました(会社法676条、以下法)。従来の商法が、発行主体を制限していたのは、有限会社などの小規模会社は財務基盤が弱いために社債発行に向かないからというものでした。しかし、これが現在の実務にそぐわなくなったために、この改正では、制限が撤廃されました。
この改正により、例えば、現在社債を発行できない有限会社(新会社法施行後は特例有限会社になります、会社法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律3条2項)であるベンチャー企業も、組織変更をすることなく、社債を発行することができるようになります。


4 資金調達の機動性確保・円滑化

従来の商法では、社債の発行事項のうち、どれを取締役会で決議し、どれを取締役に委任できるのかが不明でした。しかし、新会社法では、社債発行に際して定めるべき法定事項(法676条)のうち、法務省令で定める事項(募集社債の利率の上限、各募集社債の払込金額の下限などが法務省令で定められる予定となっています)を取締役会で決議すれば足り、その余は取締役に委任できることとなりました(法362条4項5号)。
つまり、具体的な利率や、払込金額等の決定については取締役に委任されることとなり、状況に応じた機動的な社債発行が可能となりました。
なお、取締役会を設置しない会社では、取締役に業務執行権が帰属するので取締役が法定事項を決することとなります。
さらに、一定期間を定めてその期間内に公衆に対して随時社債を売り出すいわゆる売出発行も認められるようになり、よりそれぞれの会社のニーズにあった社債発行が可能となりました。
また、従来の商法では、払込のない既存社債が存在する場合は、新たな社債を発行できないとしていましたが、この規制も新会社法において撤廃されました。
上記のような規制の撤廃、新制度の導入により、より機動的な社債発行が行えるようになったと思われます。


5 新株予約権付社債について

従来の商法では、新株予約権付社債は、社債の節の中に定められていました。しかし、新会社法では、新株予約権付社債については、社債の編では規定がなくなり、新株予約権の発行手続きに従うこととなりました。従って、今回は新株予約権付社債については割愛します。


<参考>会社法条文(法務省)


(2005年10月執筆)


土橋央征
   1979年生まれ
   2002年 司法試験合格
   2003年 京都大学法学部卒業
   2004年 司法研修所卒業、大阪弁護士会に弁護士登録
   土谷法律事務所所属

このコンテンツは「法律情報メールマガジンLIMM」より提供されております。
e-hoki.com LIMMにおける掲載時点(2005年11月22日掲載分)での執筆物であるため、その後の法改正等により、情報が古くなっている場合も、あり得ます。

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