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個人情報基礎知識 これだけはおさえよう!

8 個人情報の取得・収集と不法行為責任

テーマ:個人情報基礎知識

2014年4月 4日

ポイント
ポイント:個人に関する情報を取得・収集する行為が、その態様によっては、違法とされ、民法上の不法行為責任が問われることもあり得ます。

 「個人情報の取得・収集と利用」で解説したとおり、個人情報を取得・収集する場合、個人情報保護法では、その「利用目的」を特定して、それを通知または公表することが求められています。


 しかし、個人情報保護法に違反した場合、行政監督や刑事罰の対象とはなりますが、直ちに損害賠償責任を負うわけではありません(*「個人情報を保護するための法律」参照)。損害賠償は、プライバシー権侵害などとして民法上の不法行為責任が成立する場合に認められます。


 それでは、個人に関する情報を取得・収集するだけで、損害賠償責任を負うことはあるのでしょうか?


 過去の裁判例では、やや特殊な事案ですが、


 架空請求の事案で個人に関する情報を相手方の承諾なく入手したことなどについてプライバシー権侵害として損害賠償が認められた裁判例(東京地裁平成17年3月22日判決)、


 航空会社の労働組合が客室乗務員の個人に関する情報を収集・管理等していたことについてプライバシー権侵害として損害賠償が認められた裁判例(東京地裁平成22年10月28日判決)


などがあります。


いずれもやや特殊な事案のために直ちに一般化はできませんが、個人に関する情報の収集自体に、プライバシー権侵害として民法上の不法行為責任が問われることもあり得ることを示しています。


 経産省が作成・公表している「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」(平成25年9月版)(http://www.meti.go.jp/press/2013/09/20130906006/20130906006-3.pdf)では、以下のようなケースを、個人情報の取得が民法上の不法行為等により違法とされる可能性がある例として紹介しています(ii.60頁以下)。


○ 会員登録、ネット通販などを通じて取得した個人情報とウェブサイトの閲覧履歴や検索履歴などの利用履歴をクッキーを用いて照合して利用する場合に、その旨が通常の利用者に理解できるような形で利用者に示されていない場合


○ 小学生を対象としたウェブサイトで、家庭の経済状況を推知してマーケティングに利用する目的で、且つその意図を小学生に理解できるような形で説明することなく、懸賞プレゼントへの応募のためのアンケートなどの名目で、小遣金額、塾・習い事、通学している学校名などの情報を収集する行為


○ 利用者の意図に反してインストールされたプログラムによって、利用者の個人情報を取得し、第三者に送信するスパイウェアを利用し、利用者のID・パスワードなどの個人情報を取得する場合


 特に、個人情報取得の事実を隠して取得したり、偽りを用いて取得したりするようなケースでは、民法上の不法行為責任が問われる可能性がより高くなると考えられます。

氏名:石井邦尚

1972年生
1999年弁護士登録、第二東京弁護士会所属
1997年東京大学法学部卒業、2003年コロンビア大学ロースクールLL.M.コース修了

専門は企業法務。30年ほど前に小5ではじめてコンピュータを知ったときの驚きと興奮が忘れられずに、今でもITを愛好していることの影響から、企業法務の中でも、特にIT関連の法務を専門としている。著書に「ビジネスマンと法律実務家のためのIT法入門」(民事法研究会)など。

所属事務所:カクイ法律事務所

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