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法律コラム


[組織・運営|2014年3月27日]
弁護士 石井邦尚

取締役会手続き等の省力化

弁護士 石井邦尚

 会社法では、取締役1名の株式会社も認められており、取締役会を置くことが必須ではありませんが、実際には今でもかなり多くの会社で取締役会を設置しています。前回は、株主総会開催の手続きを省略したり、株主総会決議や株主総会での報告を省略したりする方法について解説しました。今回は、取締役会について、テレビ会議等により開催したり、書面決議を行ったりする方法について解説します。

【招集手続きの期間の短縮など】

 取締役会を招集するときは、会日から1週間前に各取締役等に対し招集通知を発する必要があります(会社法368条1項)が、この期間は定款の定めにより短縮することができます。これを定款で3日に短縮している例が多いですが、自社の定款の定めをはっきり覚えていない場合は、一度確認した方がよいでしょう。

 なお、招集通知は口頭や電話などで行ってもよく、会議の目的事項を特定する必要もありません。

 また、取締役会は、出席権者(取締役、監査役、会計参与)全員の同意があるときは、招集手続きをせずに開催することもできます(同法368条2項、376条3項)。毎月一定の日、一定の時刻に、一定の場所で開催する定例取締役会などは、この同意に基づいて、招集手続きを省略して開催することが可能になります。

【テレビ会議システムや電話会議システムによる取締役会への出席】

 取締役会は、テレビ会議や電話会議による出席も認められます。その場合、取締役会議事録には、出席の方法を記載する必要があります(会社法施行規則101条3項1号)。

 テレビ会議、電話会議は、画像や音声が即時に伝わり、開催場所にいる取締役、そこにいない取締役らが、双方向に意思伝達をすることができる状況にあることが必要です。例えば、開催場所にいる取締役の一人が伝言役となって、その場にいない取締役と電話で話しをし、その取締役の発言と取締役会の議論を相互に伝達する、といった方法ではダメです。

【取締役会の決議の省略(書面決議)】

 以前は、取締役会は、現実の会議を開くことを要し、原則としていわゆる持ち回り方式による決議は認められていませんでした。しかし、これでは、企業の活動が広範囲に及び、また海外所在の取締役などもいるといった現在の状況下では、機動的な意思決定に支障が生じかねません。

 そこで、会社法では、定款で定めれば、取締役が取締役会の決議の目的である事項につき提案をし、取締役(当該事項につき議決に加わることのできる取締役)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の取締役会の決議があったものとみなすという、いわゆる書面決議の制度を設けることができるようになりました(会社法370条)。

 同意の書面(電磁的記録)は、当該決議があったとみなされた日から10年間、本店に備え置く(同法371条1項)等する必要があります。

【報告の省略】

 取締役、会計参与、監査役または会計監査人が取締役(監査役会設置会社では監査役も)の全員に対して取締役会に報告すべき事項を通知したときは、当該事項を取締役会に報告することを要しないとされています(会社法372条1項)。

 ただし、代表取締役等は、3カ月に1回以上、自己の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならず(同法363条2項)、この報告は省略することができません(同法372条2項)。したがって、取締役会決議の省略(書面決議)、報告の省略を行ったとしても、最低でも3カ月に1回は必ず取締役会を開催しなければならないことになります。

【最後に】

 取締役会は、会社の業務執行に関する意思決定を行う機関であり(会社法362条1項・2項)、法令・定款により株主総会の決議事項とされた事項(同法295条2項)を除き、会社の業務執行全てにつき決定する権限という、非常に広い権限を有しています。

 名目だけの取締役を置き、形の上では取締役会設置会社となっているものの、実際には取締役会を開催していないという会社も見かけますが、取締役会の重要さ、権限の広さからすると、非常に大きな問題といわざるを得ません。

 上記のような方法を活用し、省力化しながらでも取締役会を開催したり、書面決議等を行ったりするべきです。もし、それが困難ということであれば、会社法では取締役会を置かないでおくこともできるのですから、取締役の人数を減らし、取締役会を設置しないことも検討するべきです。

氏名:石井邦尚

生年:1972年生

弁護士登録年・弁護士会:
1999年弁護士登録、第二東京弁護士会所属

学歴:
1997年東京大学法学部卒業、2003年コロンビア大学ロースクールLL.M.コース修了

得意分野等:
専門は企業法務。30年ほど前に小5ではじめてコンピュータを知ったときの驚きと興奮が忘れられずに、今でもITを愛好していることの影響から、企業法務の中でも、特にIT関連の法務を専門としている。著書に「ビジネスマンと法律実務家のためのIT法入門」(民事法研究会)など。

所属事務所:
カクイ法律事務所 http://www.kakuilaw.jp

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