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法律コラム


[人事・労務|2012年9月20日]
弁護士 高橋弘泰

高齢者雇用安定法の改正について

弁護士 高橋弘泰

 「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」(高年齢者雇用安定法)の一部が改正されました。平成25年4月1日から施行されることになっています。

 この改正の目的は、「急速な高齢化の進行に対応し、高年齢者が少なくとも年金受給開始年齢までは意欲と能力に応じて働き続けられる環境の整備」と説明されています。来年4月から厚生年金の支給開始年齢が段階的に引き上げられることに伴い、年金給付が始まるまで無収入になるのを防がなければならないという背景があります。

 この改正により、会社が定年を65歳へ引上げることが義務付けられるものではありませんが、いくつか重要な内容が含まれています。今回はこれらの改正について説明します。

【例外措置の廃止】

 今回の改正により、継続雇用制度の対象となる高年齢者につき事業主が労使協定により定める基準により限定できる仕組み(例外措置)が廃止されました。
 これだけでは分かりにくいと思いますので、少し詳しく説明します。

 現在の高年齢者雇用安定法では、定年を定める場合には、60歳を下回ることができないとされています。
 そして、65歳未満の定年を定めている事業主に対しては、65歳までの雇用を確保するため、次のいずれかの措置(高年齢者雇用確保措置)を導入する義務が、平成16年改正により義務付けられました。
 その措置とは、(1)定年の引上げ、(2)継続雇用制度の導入、(3)定年の定めの廃止です。
 なお、これは(1)から(3)までのいずれかの措置を会社の制度として導入する義務であって、個々の労働者の雇用義務ではないとされています。
 このうち、(2)継続雇用制度の導入については、労使協定により基準を定めた場合は、希望者全員を対象としない制度(基準制度)も可能とされていました。

 しかし、公的年金(厚生年金)の支給開始年齢の引上げにより、現在の高年齢者雇用制度のままでは、平成25年度には、60歳定年以降、継続雇用を希望したとしても雇用が継続されず、また年金も支給されないことにより無収入となる者が生じる可能性がでてきました。
 そこで、希望者全員の65歳までの継続雇用の確保のために、上記の基準制度を廃止することになりました。

 なお、厚労省が2011年に31人以上の規模の企業を集計した調査結果によると、高年齢者雇用確保措置導入割合は95.7%で、過去一年間の定年到達者(約43.5万人)のうち、基準に該当せず離職した者の割合は1.8%(約7,600人)だったとされています。

【経過措置】

 ところで、この「例外規定の廃止」には、12年の経過措置が設けられています。
 すなわち、厚生年金(報酬比例部分)の受給開始年齢に到達した以降の者に対しては、12年間、基準を引き続き利用できることになりました。
 たとえば、平成29年度(2017年)に62歳になる人は、この年齢から年金受給となりますが、企業はこの年齢から基準を利用できるということになります。

【その他の改正点】

1.企業の範囲の拡大

継続雇用制度の対象となる高年齢者が雇用される企業の範囲がグループ企業(子会社、関連会社)まで拡大される仕組みが設けられました。子会社、関連会社の範囲は、会社法等の定義を参考に法令で定められます。

2.義務違反の企業に対する公表規定の導入

高年齢者雇用確保措置義務に関する勧告に従わない企業名を公表する規定が設けられました。

【今後の対応について】

 今回の改正には、自社の戦力低下につながるとして企業の側では反対の声が多く、対応には頭を悩ませるところであると思います。採用抑制や給与削減といった若い世代へのしわ寄せが行くという懸念もあります。
 事業主の側としては、悩ましい改正ではあると思いますが、上記の経過措置の活用や、ワークシェアリングの実施など、現時点でできる対応を取っていくことが大切かと思われます。

氏名:高橋弘泰

生年:1970年生

弁護士登録年・弁護士会:
2009年弁護士登録、第二東京弁護士会所属

学歴:
1994年東京大学法学部卒業

得意分野等:
東京都に勤務の後、大宮法科大学院に入学し、法曹を目指す。行政事件、刑事事件など公益的な活動に力を入れる一方、民事分野でも敷居が低く利用しやすいと同時に、内容的には決して妥協しない良質な法的サービスの提供に努めていきたいと思います。

所属事務所:
法律事務所フロンティア・ロー http://frontier-omiya.jp/index.html

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