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合同会社について

テーマ:企業の機関・形態

2012年9月13日

解説者

弁護士 高橋弘泰

【合同会社とは】

 「合同会社」という会社形態をご存じでしょうか。最近、合同会社の設立件数が急増しています。昨年の設立件数は過去最高の約9200社に上り5年前に比べて倍増。今年は1万社に達するとの予測もあり、大手企業にもその動きは広がっています。こうした動きには何か理由があるのでしょうか。今回は、合同会社の仕組みについて説明します。


 合同会社は、日本で設立できる4種類の会社形態(株式会社、合名会社、合資会社、合同会社)の一つであり、2006年の会社法施行により可能になったものです。アメリカで広まったLLC(Limited Liability Company)をモデルにしています。ちなみに、「合同」会社という名称ですが、一人でも設立可能です。


【社員は有限責任】

 合同会社の特徴は、社員に持分譲渡の自由がなく、定款変更は総社員の同意によりなされるなど、内部的には組合に近い仕組みとなっている一方で、社員の全員が有限責任であるという点にあります。


 すなわち、合名会社や合資会社などのような会社では、原則として社員は会社の債務全てに対して責任負わなければなりません(無限責任)が、合同会社の社員は出資金以上の責任を負わない(有限責任)とされています。これを間接有限責任といい、この点は株式会社と同じです。


 比較的規模の小さい会社にとっては、内部的には組合的な結束があり、外部的には有限責任しか負わないという合同会社の形態は大きな魅力といえるかもしれません。


【その他のメリット】

 合同会社には、株主総会という制度がなく、出資者である社員が直接経営に関与するので、株式会社のように株主と経営が分離されていません。株主総会の手続を経ずに意思決定ができ、監査役会などによるチェックもないのでスムーズな経営ができるという利点があります。


 また、技術・ノウハウ等を提供する者に対して出資比率にとらわれない有利な利益・権限配分ができるという柔軟な運営も可能です。会計監査人設置義務、決算公告義務、現物出資に関する検査役選任義務がないことや、設立時に公証人による定款認証がないといった点も、株式会社よりも手続的な面でメリットがあるという見方もできます。
 また、会社の設立、維持に関して株式会社に比べてコストが少ないという利点もあると言われています。


【デメリットはあるのか】

 こうしてみると、合同会社にはメリットばかりあるように思われます。事実、合同会社が急増している背景にはこれらの制度的な要因が大きいと考えられます。


 では、合同会社には本当にメリットばかりなのかというと、必ずしもそうとは言い切れないと思います。それは、会社が順調な間はよくとも、会社経営がうまくいかなると、先に挙げたようなメリットが逆に問題点として浮上しやすいということです。


 たとえば、出資比率にとらわれない有利な利益・権限配分ができるというメリットは、裏を返せば社員どうしの間で利益・権限配分を巡る対立が生じやすいという問題を含んでいます。さらに、株主総会や監査役会のチェックが働かないということは、意思決定を迅速でスムーズにする一方で、会社運営が方向を誤った場合に歯止めがきかず、社員間でいったん対立が生じた場合には収拾がつかなくなるという危険も孕んでいます。


 合同会社の社員の地位の一部または全部を他人に譲渡する場合には、原則として他の社員全員の同意が必要となるという点にも注意が必要です。また、定款変更が全社員の同意を必要とするということは後に大きな足かせとなる可能性もあるので、当初の定款の定め方には慎重になる必要があります。


【パートナー選びが大切】

 合同会社は「人的会社」とも呼ばれ、社員の個性や関係が会社経営に直接的に反映されやすい制度といえます。会社がスムーズに運営されるためには内部的な信頼関係の構築が不可欠であり、合同会社の場合には特に、設立当初から互いに信頼できるパートナーを選ぶことが重要だといえるでしょう。


氏名:高橋弘泰

生年:1970年生

弁護士登録年・弁護士会:
2009年弁護士登録、第二東京弁護士会所属

学歴:
1994年東京大学法学部卒業

得意分野等:
東京都に勤務の後、大宮法科大学院に入学し、法曹を目指す。行政事件、刑事事件など公益的な活動に力を入れる一方、民事分野でも敷居が低く利用しやすいと同時に、内容的には決して妥協しない良質な法的サービスの提供に努めていきたいと思います。

所属事務所:
法律事務所フロンティア・ロー http://frontier-omiya.jp/index.html

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