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障害者雇用促進法の改正について

テーマ:採用・雇用

2012年9月10日

解説者

弁護士 高橋弘泰

【障がい者雇用率の変更】

 すべての事業主は、法定雇用率以上の割合で障がい者を雇用する義務があります(障害者雇用率制度)。この法定雇用率が、平成25年4月1日から、民間企業では現行の1.8%から2.0%に変わります。精神障がい者については雇用義務はありませんが、雇用した場合は身体障がい者・知的障がい者を雇用したものとみなされます。


 また、今回の法定雇用率の変更に伴い、障がい者を雇用しなければならない事業主の範囲が、従業員56人以上から50人以上に変わります。


 そして事業主は、(1)毎年6月1日時点の障害者雇用状況をハローワークに報告すること、(2)障害者雇用推進者を選任するよう努めること、が義務づけられています。
 障害者雇用推進者とは、以下の業務に携わる者をいいます。


  • 障がい者の雇用の促進と継続を図るために必要な施設・設備の設置や整備
  • 障がい者雇用状況の報告
  • 障がい者を解雇した場合のハローワークへの届け出 など

 ここで、この制度の趣旨を振り返ってみましょう。そもそもなぜ障がい者雇用を進める必要があるのでしょうか。
 障がい者雇用を進めていく根底には、「共生社会」実現の理念があります。障がい者がごく普通に地域で暮らし、地域の一員として共に生活できる社会を実現するためには、職業による自立を進めることが重要です。これを進めるためには、ある程度政治や行政の側でイニシアチブをとる必要があります。
 政府は、平成18年12月に国連総会で採択された「障害者の権利に関する条約」に平成19年9月に署名しており、この条約に対応するため、国内法制の整備を進めているところでもあります。


 障がい者を雇用する場合、どんな配慮が必要でしょうか。たとえば、障がい者はどのような仕事に向いているのでしょうか。
 「障がい者に向いている仕事」「向いていない仕事」というものはなく、一人ひとりの障がい状況やスキルの習得状況、本人の希望・意欲に応じて、事務、販売、製造からシステムエンジニアなどの専門職までさまざまな職種で雇用されています。この点では、障害者雇用事例リファレンスサービスというサイトが参考になります。このサイトでは、次に述べる障害者雇用納付金制度に基づく各種助成金の活用事例も紹介されています。


【障害者雇用納付金】

 障害者雇用納付金制度とは、法定雇用率を下回っている事業主(従業員200人超)から、法定雇用障がい者数に不足する人数に応じて納付金を徴収し、それを財源に法定雇用率を上回っている事業主に対して障害者雇用調整金、報奨金、各種の助成金を支給する制度です。
 障がい者を雇用するには、作業施設・設備の改善や職場環境の整備など、経済的負担が伴います。この納付金制度は、障がい者を多く雇用している事業主の経済的負担を軽減し、事業主間の負担の公平を図りつつ、障がい者雇用の水準を高めることを目的としています。
 この制度においても、平成25年4月1日から新しい法定雇用率が適用されます。具体的には、平成26年4月1日から同年5月15日までの間に申告する分(平成25年4月から平成26年3月までの申告対象期間)から新しい法定雇用率で算定することになります。


【障がい者雇用のために活用できる支援制度】

 障がい者雇用のための各種助成金や職場定着に向けた人的支援など、さまざまな支援制度が存在します。詳しくは事業所管轄のハローワークに相談されるのがよいと思います。
 利用可能な支援の例としては、以下のものがあります。


  • 障がい者雇用に関する各種相談、職業紹介(ハローワーク)
  • 職場定着支援、事業主への助言(地域障害者職業センター、障害者就業・生活支援センター)
  • 各種助成金(ハローワーク、高齢・障害・求職者雇用支援機構)

 ちなみに、並行して「身体障害者補助犬法施行令」の一部も改正されています。
 身体障害者補助犬法第10条第1項においては、「政令で定める数」以上の労働者を雇用する事業主(国等を除く)は、その事業所又は事務所に勤務する身体障がい者が当該事業所又は事務所において身体障がい者補助犬を使用することを拒んではならないことが規定されています。
 この「政令で定める数」が、上記の改正に合わせて、50人(現行56人)に改められました。


*本コラムは、主に厚労省・都道府県労働局・ハローワーク作成のリーフレット(LL240620障01)の内容を参考にさせていただきました。


氏名:高橋弘泰

生年:1970年生

弁護士登録年・弁護士会:
2009年弁護士登録、第二東京弁護士会所属

学歴:
1994年東京大学法学部卒業

得意分野等:
東京都に勤務の後、大宮法科大学院に入学し、法曹を目指す。行政事件、刑事事件など公益的な活動に力を入れる一方、民事分野でも敷居が低く利用しやすいと同時に、内容的には決して妥協しない良質な法的サービスの提供に努めていきたいと思います。

所属事務所:
法律事務所フロンティア・ロー http://frontier-omiya.jp/index.html

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