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法律上の休日の考え方

テーマ:労務一般

2012年8月23日

解説者

弁護士 高橋弘泰

【国民祝日法の改正?】

 政府は、国民の祝日が土曜日に当たった場合、日曜と同様に振替休日を設ける方向で検討しているようです。月曜か金曜に休みをずらして3連休を増やし、観光振興につなげるのが狙いだと言われています。近い将来、 国民祝日法(正確には「国民の祝日に関する法律」)が改正されるかもしれません。


 国民祝日法は、祝日が日曜に当たった場合、「最も近い平日」を振替休日にすると規定しています。土曜の定めはありませんが、日曜の振替休日制度が始まった1973年当時は、土曜の午後を休みにする企業や学校が一般的でした。近年は週休2日制が定着しており、土曜日にも振替休日を設けることで、3連休増加のメリットを受けられる人も多いと考えられています。


【労働基準法における休日】

 ところで、労働法では、休日についてどのように規定されているのでしょうか。


 その前に少し脱線しますが、「労働法」という法律は存在しません。「労働法」というジャンルの中に、労働基準法、労働組合法、労働関係調整法(労働三法)、労働契約法、最低賃金法、労災保険法、労働者派遣法などさまざまな法律があるというイメージになります。


 さて、労働法上における休日とは、労働者が労働契約上、労務提供義務を免除された日のことをいいます。暦日の0時からはじまる丸1日の休みが原則ですが、交代勤務等で暦日の休日付与が難しい場合には、終業から起算して継続24時間の休みを与えることもできます。


 使用者は労働者に対して、少なくとも週に1回の休日を与えなければなりません(労働基準法第35条1項)。これを法定休日といいます。これに対し、4週間を通じ4日以上の休日を与える場合は、週1回でなくともよいとされています(同条2項)。これを変形休日制または変形週休制といい、4週の起算日は就業規則で特定しておかなければなりません(同法施行規則12条の2第2項)。週あたりまたは4週あたりの法定休日(1日または4日)を超えた日数の休日は法定外休日といい、法定休日とあわせて所定休日と呼ばれます。


 週休日は、祝日法で定める休日や一般的な休日(土・日曜日、お盆、年末年始など)と必ずしも一致する必要はありません。


 法定労働時間は、1週40時間まで(労働基準法32条第1項、ただし労働基準法第131条に該当する場合は44時間まで)、1日8時間まで(同条2項)と定められており、使用者が労働者に対してこの法定労働時間を超える労働をさせることは原則として禁じられています。1日8時間労働を5日間させると40時間に達するため、この場合は自動的に週休二日制になります。


 原則として、法定休日には労働させることはできませんが、災害その他避けることのできない事由によって臨時の必要がある場合(労働基準法33条)や、その事業場の労働者の過半数で組織する労働組合、これがない場合は労働者の過半数を代表する者との協定(労働基準法36条による協定。いわゆる三六協定)を締結し、行政官庁に届け出、就業規則等に休日出勤を命じることがあるとの定めにより法定休日に労働させることができます。


 休日出勤をさせる回数に法律上の上限はなく、すべての休日に休日出勤をさせる労使協定も法律上は可能です。同法にいう法定休日に労働者を働かせた場合には、使用者は3割5分増以上の割増賃金を支払わなければなりません(労働基準法37条第1項の時間外及び休日の割増賃金に係る率の最低限度を定める政令)。一方、法定以上に与えている休日(法定外休日)における労働は、休日労働とはならず、週あたりの法定労働時間を超過しない限り、賃金に割増を加算しなくともよく、日または週あたりの法定労働時間を超過してはじめて、時間外労働として2割5分増以上の割増賃金が発生することになります。逆に、休日割増が付加される法定休日労働とした日の勤務は何時間働いても、時間外労働の対象とはならず、週の法定労働時間の算定にも加わりません。


【休日と休暇のちがい】

 使用者は、法律にいう休日とは別に、労働者に年次有給休暇を与えなければなりません(労働基準法39条)。労働義務のある日を労働者が休むことを「休暇」といい、使用者が与える休日とは区別されます。


 前勤務日の終了までに休日と労働日を特定して入れ替えることを休日の振替(振替休日または休日振替)といいます。休日から労働日となった日の労働については休日労働の割増の対象になりませんが、週あたりの法定労働時間を超過した時間については時間外労働となり、割増が発生することがあります。この手続をせずに労働させた場合、休日出勤として割増対象になり他の労働日を代休として与えても、使用者は割増賃金の支払を免れません。代休とは、使用者が、または労働者が勤務日の中から日を指定して労働を免除する(される)日のことをいいますが、その日はあくまでも勤務日ですから、法が求めるその週の休日は別途必要です。このことは先の年次有給休暇を取得した週も同じです。ただし、代休は必ずしも与えなくてもよく、法定の有効な36協定の存在並びに割増賃金を支払うことで、休ませたものとして扱われます。代休の賃金は就業規則等に定めるところによります。



氏名:高橋弘泰

生年:1970年生

弁護士登録年・弁護士会:
2009年弁護士登録、第二東京弁護士会所属

学歴:
1994年東京大学法学部卒業

得意分野等:
東京都に勤務の後、大宮法科大学院に入学し、法曹を目指す。行政事件、刑事事件など公益的な活動に力を入れる一方、民事分野でも敷居が低く利用しやすいと同時に、内容的には決して妥協しない良質な法的サービスの提供に努めていきたいと思います。

所属事務所:
法律事務所フロンティア・ロー http://frontier-omiya.jp/index.html

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