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中小企業への育児・介護休業法の適用について

テーマ:育児・女性

2012年7月26日

解説者

弁護士 高橋弘泰

【中小企業への全面適用】

 育児・介護休業法は、平成21年6月に改正され、一部を除き、平成22年6月30日から施行されましたが、常時100人以下の労働者を雇用する中小企業についても平成24年7月1日から全面施行されています。今回は、育児・介護休業法が7月から適用になる中小企業が気をつけるべきポイントについて説明します。


 7月から適用対象となるのは、従業員数が100人以下の事業主です。これは、平成22年6月30日時点で、常時雇用する従業員数が100人以下だった事業主を意味します。臨時に労働者を雇い入れた場合や臨時的に欠員を生じた場合などは、労働者の数が変動したものとはなりません。この場合の「労働者」には、日々雇用される者や期間を定めて雇用される者も含まれ、こうした者を常時雇用している場合には人数に含まれます。派遣労働者は派遣元の事業主に雇用される労働者として算定します。また、100人以下の労働者を雇用する事業主であるかどうかは、事業主単位で算定し、事業所ごとにカウントするものではありません。


【適用により変更となる点】

 育児・介護休業法の全面施行により、以下の3つの制度を導入することが事業主の義務になります。


  1. (1)短時間勤務制度…短時間勤務(1日6時間)ができる制度です。
  2. (2)所定外労働の制限…残業が免除される制度です。
  3. (3)介護休暇…介護の必要がある日について仕事を休める制度です。

 (1)の「短時間勤務制度」(所定労働時間の短縮措置)とは、以下の措置をいいます。


  • 事業主は、3歳に満たない子を養育する従業員について、従業員が希望すれば利用できる、短時間勤務制度を設けなければなりません。
  • 短時間勤務制度は、就業規則に規定されるなど、制度化された状態になっていることが必要であり、運用で行われているだけでは不十分です。
  • 短時間勤務制度は、1日の労働時間を原則として6時間(5時間45分から6時間まで)とする措置を含むものとしなければなりません。

 (2)の「所定外労働の制限」とは、3歳に満たない子を養育する従業員が申し出た場合には、事業主は、所定労働時間を超えて労働させてはならないことをいいます。


 (3)介護休暇とは、要介護状態にある対象家族の介護その他の世話を行う従業員が、申し出た場合、対象家族が1人であれば年に5日まで、2人以上であれば年に10日まで、1日単位で休暇を取得させなければならない休暇をいいます。
 介護休暇は、労働基準法で定める年次有給休暇とは別に与える必要があります。


 なお、「要介護状態」とは、負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態をいいます。
 「対象家族」とは、配偶者(事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)、父母及び子(これらの者に準ずる者として、従業員が同居し、かつ、扶養している祖父母、兄弟姉妹及び孫を含む。)、配偶者の父母です。
 「その他の世話」とは、対象家族の通院等の付き添い、対象家族が介護サービスの提供を受けるために必要な手続の代行その他の対象家族に必要な世話をいいます。


【必要な見直し】

 まだ体制が整っていない事業主は、会社の制度について、必要な見直しを行い、改正された内容に合わせ就業規則などを整備する必要があります。
 具体的には、就業規則の規定を変える必要があります。これについては、厚生労働省のホームページに就業規則の規定例が掲載されていますので、参考にするとよいと思われます。


 詳細版:http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/02.html
 簡易版:http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/03.html


 また、都道府県労働局雇用均等室でも相談を受け付けています。
 http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/roudoukyoku/index.html


 次回は、育児・介護休暇の付与や取得にあたって具体的に問題となりそうな点や疑問点について解説したいと思います。



氏名:高橋弘泰

生年:1970年生

弁護士登録年・弁護士会:
2009年弁護士登録、第二東京弁護士会所属

学歴:
1994年東京大学法学部卒業

得意分野等:
東京都に勤務の後、大宮法科大学院に入学し、法曹を目指す。行政事件、刑事事件など公益的な活動に力を入れる一方、民事分野でも敷居が低く利用しやすいと同時に、内容的には決して妥協しない良質な法的サービスの提供に努めていきたいと思います。

所属事務所:
法律事務所フロンティア・ロー http://frontier-omiya.jp/index.html

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