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メンタルヘルスケアの基本的考え方

テーマ:メンタルヘルス

2012年1月12日

解説者

弁護士 高橋弘泰

 今回はメンタルヘルスケアの基本的な考え方についてお話します。主に、メンタルヘルスケアを進めるにあたっての留意事項として「4つのケア」と呼ばれるものと、管理監督者が部下に接する際の注意点について説明します。


【4つのケア(留意事項)】

1.心の健康問題の特性

 心の健康については、その評価は容易ではなく、さらに、その発生過程には個人差が大きいため、プロセスの把握が困難です。また、すべての労働者が心の問題を抱える可能性があるにもかかわらず、心の健康問題を抱える労働者に対して、本人の自覚の問題であると考えたり、職場への不満、あるいは気の緩みであるといった観点から評価が行われる傾向が強いという問題があります。


2.労働者の個人情報の保護への配慮

 既往歴など健康情報を含む労働者の個人情報の保護、そして労働者の意思の尊重に留意することがメンタルヘルスケアを進めるにあたって重要です。心の健康に関する情報の収集および利用に際しての個人情報保護への配慮は、労働者が安心してメンタルヘルスケアに参加できること、ひいてはメンタルヘルスケアがより効果的に推進されるために必須の条件です。


3.人事労務管理との関係

 労働者の心の健康は、体の健康に比較し、職場配置、人事異動、職場の組織等の人事労務管理と密接に関係する要因によって、より大きな影響を受けます。メンタルヘルスケアは、人事労務管理と連携しなければ、適切に進まない場合が多くあります。


4.家庭・個人生活等の職場以外の問題

 心の健康問題は、職場のストレス要因のみならず、家庭・個人生活等の職場以外のストレス要因の影響を受けている場合も多くあります。また、個人の要因等も心の健康問題に影響を与え、これらは複雑に関係し、相互に影響しあう場合が多くあります。


【管理監督者による部下への接し方】

 メンタルヘルス対策の中で、管理監督者の役割は重要です。大切なのは、管理監督者が「いつもと違う」部下に早く気付くことです。それまで遅刻をしたことのなかった部下が遅刻を繰り返したり、無断欠勤をしたり、報告や相談、職場での会話がなくなるなど、それまでの行動様式からずれた行動を取った場合、それに速やかに気づくためには、日ごろから部下に関心を持って接しておき、普段の行動や人間関係の持ち方について知っておく必要があります。


 「いつもと違う」部下に対しては、管理監督者は職務上何らかの対応をする必要があります。また、その背後に病気が隠れていないかも確認しなければなりませんが、病気の判断は管理監督者にはできませんから、産業医等に相談に行く仕組みを作っておく必要があります(今回の法改正ではその体制を作ることが義務付けられています)。


 早期発見のためにも、管理監督者は、日常的に部下が上司に自発的に相談しやすい環境や雰囲気を整えることが必要です。長時間労働で過労状態にある部下や強いストレスを伴う出来事を経験した部下に対しては、管理監督者から声をかけ、積極的に話を聞いたり、適切な状況を提供することが大切です。状況によっては、産業保健スタッフや医師への相談や受診を促すことが必要な場合もあります。


 管理監督者が部下の話を積極的に聞くことは、部下のものの見方や考え方、行動様式を理解することによって、職場のストレス要因の把握や心の健康問題の早期発見からも重要なことだといえます。この点、事業者が管理監督者に積極的傾聴法(人の話を聞く基本となる技法)を習得するための研修の機会を設けることは非常に有益でしょう。


 メンタルヘルス不調の部下が職場復帰する場合の配慮も管理監督者の職務です。労働者が数か月休業していた場合にいきなり従前の仕事を期待することはできません。一方で、復職者は、職場にうまく適応できるか、自分はどう思われているだろうか、など不安を抱えています。そうした部下の気持ちを受け止め、「上司は自分を分かってくれている」と感じてもらえるようにすることが、職場全体の緊張を和らげ、ストレス軽減にもつながります。


氏名:高橋弘泰

生年:1970年生

弁護士登録年・弁護士会:
2009年弁護士登録、第二東京弁護士会所属

学歴:
1994年東京大学法学部卒業

得意分野等:
東京都に勤務の後、大宮法科大学院に入学し、法曹を目指す。行政事件、刑事事件など公益的な活動に力を入れる一方、民事分野でも敷居が低く利用しやすいと同時に、内容的には決して妥協しない良質な法的サービスの提供に努めていきたいと思います。

所属事務所:
法律事務所フロンティア・ロー http://frontier-omiya.jp/index.html

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