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特定継続的役務提供契約とクーリング・オフ

テーマ:契約・取引

2010年6月10日

解説者

弁護士 宮武洋吉

【はじめに】

 特定商取引法(以下、「法」といいます)第41条以下で、「特定継続的役務提供」についての規制が規定されています。
 ここでは、特定継続的役務提供とは何か?という点と、特定継続的役務提供契約や関連商品のクーリング・オフについてご説明します。


【特定継続的役務提供とは】

 特定継続的役務提供とは、典型的なものとしては、エステティックサロン、語学教室、家庭教師、学習塾、パソコン教室、結婚相手紹介サービス等があります。
 特定継続的役務の定義については、法第41条第2項で次のように規定されています。


  • 役務の提供を受ける者の身体の美化又は知識若しくは技能の向上その他のその者の心身又は身上に関する目的を実現させることをもって誘引が行われるもの
  • 役務の性質上、前号に規定する目的が実現するかどうかが確実でないもの

 この「特定継続的役務」は、美しくなる(「身体の美化」)、英語が上達する(「知識若しくは技能の向上」)といった役務サービスの提供を受ける者の目的(「心身又は身上に関する目的」)を達成するために、一定期間、継続的に役務提供を受ける必要があるものを指します。
 逆に、理髪、マッサージ等、基本的に1回の役務提供で終了し、継続的に役務提供を受ける必要がない役務は該当しません。
 なお、「学習塾」及び「家庭教師」については、小学校又は幼稚園に入学するためのいわゆる「お受験」対策は含まれません。「学習塾」には、浪人生のみを対象にしたコースは対象になりません。


【規制対象となる「特定継続的役務提供」について】

 政令で定める「特定継続的役務」を、一定期間を超える期間にわたり、一定金額を超える対価を受け取り提供(役務提供を受ける権利の販売も含む)するものが規制対象となります。
 「期間」については、エステティックサロンは1ヶ月を超えるもの、語学教室、家庭教師、学習塾、パソコン教室、結婚相手紹介サービスについては2ヶ月を超えるものが規制対象となります。
 「対価」については、入学金(入会金)・受講料・教材費・施設利用費、関連商品の販売等、契約金の総額が5万円を超えていると対象になります。


【特定継続的役務提供契約とクーリング・オフ】

 消費者は、事業者と特定継続的役務提供契約を締結した場合、契約書面を受領した日を含めて8日間を経過するまでの期間はクーリング・オフを行うことができます。
 契約書面の交付は事業者が立証しなければなりません。
 契約書面が交付されなかったり、内容が不備であったりした場合には、上記の期間制限はなく、消費者はいつでもクーリング・オフを行うことができるので、法定の要件を満たした契約書面を確実に交付することが必要です。
 事業者が消費者に対して、「これは特別な契約なのでクーリング・オフできない」等の虚偽の説明をしたり威迫(脅し)を行ったりした場合には、上記の期間制限はなくなります。ただし、事業者が消費者に対して、クーリング・オフができる旨を記載した書面を改めて交付した場合には、消費者がクーリング・オフを行える期間は、その日から8日間となります。
 クーリング・オフ制度の趣旨や概略については、当サイトの「ビジネスQ&A」に記事がありますので、そちらをご参照ください。
<ビジネスQ&A>
Q003.クーリングオフは、店頭で販売した使用済みの商品でも対象になるのでしょうか?


【関連商品のクーリング・オフ】

 特定継続的役務提供契約をクーリング・オフした消費者は、役務の提供を受けるに当たって、役務の提供の際に購入する必要があるとして購入した商品(関連商品)についてもクーリング・オフが可能です。関連商品についてのみのクーリング・オフはできません。
 クーリング・オフを行使することができる関連商品は、一定の商品に限定されています。
 具体的な対象商品は、エステティックサロンについては いわゆる健康食品、化粧品、石けん(医薬品を除く)及び浴用剤、下着類、美顔器、脱毛器、語学教室、家庭教師及び学習塾については書籍(教材を含む)、いわゆるソフト(カセット・テープ、CD等)、ファクシミリ機器、テレビ電話が指定されています。
 関連商品のうち、その一部を使用又は消費しただけでもその商品価値が全くなくなってしまうものとして政令で指定された一部の商品(いわゆる消耗品)については使用又は消費してしまった場合にはクーリング・オフができなくなります。
 このような消耗品として指定されている商品は健康食品、化粧品、石けん(医薬品を除く)及び浴用剤です。


氏名:宮武洋吉(みやたけ ようきち)

生年:1966年生

弁護士登録年・弁護士会:
1999年弁護士登録、第二東京弁護士会所属

学歴:
東京大学法学部卒業

得意分野等:
交通事故、マンション管理、親族・相続・後見等。最近は、損害保険代理店と連携しつつ中小企業のリスク管理に関与する場面も増加している。

所属事務所:
立川北法律事務所

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