本文とサイドメニューへジャンプするためのナビゲーションスキップです。

トップページ  >  経営をよくする  >  法律コラム

特集一覧 中小企業に役立つ記事や施策をトピックスごとにまとめています。

『ネット販売と法律』

テーマ:自社HP・eコマース

2006年11月 9日

解説者

弁護士 石井尚子

今や日本人の2人に1人がインターネットを利用する時代になりました。インターネットでの商品販売は、手軽に、しかし世界をマーケットにできるという点で、大変魅力的なものです。事務所に相談にみえる方からもこれからインターネットでの商品販売を始めたいというお話をよく伺います。
手軽に始められるインターネットでの商品販売ですが、実は、様々な法律が絡んでくる分野であり、気をつけなければならない点もたくさんあります。今回は、インターネットショップを始めるにあたり、気をつけてほしい点をまとめてみました。


1 商品を選択するにあたって

取り扱う商品によっては、特別な許可や資格が必要になったり、販売可能な商品に制限があるものもあります。
例えば、お酒を扱う場合は酒税法との関係で、通信販売酒類小売業の免許が必要となりますし、販売できる酒類の範囲も限られています。また、中古品や食品、薬、ペットの販売にもそれぞれ法律に基づく規制があります。


2 ホームページを作成するにあたって

インターネットでの注文は、手軽で便利な反面、顧客にとってみるとキーボードやマウスの操作ミスで間違って注文する危険も高いものです。操作ミスによる間違った注文を防ぐため、事業者の側は、ホームページの注文画面に「最終確認画面」を設けて、顧客に注文を再度確認してもらう必要があります。「最終確認画面」を設けていない場合は、顧客から「操作ミスで申し込んだだけだから契約はなかったことにしてほしい。」と言われた場合に、顧客の主張を認めざるを得なくなります。
もちろん、ホームページ作成の際には、他人の著作権や、商標権などの侵害となっていないかにも配慮しなければなりません。


3 契約内容を決めるにあたって

インターネットでの販売は不特定多数の消費者を対象とする取引になるため、特定商取引法、消費者契約法など消費者保護を目的とした法律に違反しないように契約内容を決めて、それを適切に表示する必要があります。
インターネットを閲覧していてホームページ上に「特定商取引法に基づく表示」という記載を見かけたことがあると思います。これは、扱う商品が、特定商取引法で指定された商品、サービス等にあたる場合には、特定商取引法上の広告の規制を受け、代金や、引渡の時期だけでなく、返品の可否と条件、販売業者の氏名、住所、電話番号等の消費者に必要な情報をきちんと表示するよう義務づけられているためです。
また、後日、紛争が起こるのを防ぐためには、予め顧客との間で利用規約を取り交わしておくことが望ましいでしょう。利用規約は顧客から承認してもらう必要があるので、まずは顧客が利用規約を閲覧することが可能なように、ショップの画面に利用規約を掲載するか、リンクを貼っておき、さらに注文の際には利用規約を承認する旨のボタンをクリックしてもらうような設定にしておく必要があります。
もっとも、どんな利用規約でも必ず有効になるという訳ではありません。事業者側の全ての責任を免除するなど消費者側に著しく不利な規定は消費者契約法により無効となるのでご注意下さい。


4 個人情報の取扱いについて

インターネットでの販売を始めると、大量の顧客情報を取り扱うことになります。この顧客情報の取扱いについては、個人情報保護法により、収集、利用、管理等の方法が定められており、適切に取り扱うことが求められています。


このようにインターネットでの商品販売には、様々な法律との関係での注意点があります。どのような商品を扱うのか、ホームページ上から申し込めるのか、FAX、電話等で申し込むのか、クレジット決済を利用するのか等によって注意すべき点も違ってきますので、具体的な計画が決まってきた段階で、関連機関や、弁護士などに相談することをおすすめします。


(2006年10月執筆)


弁護士  石井尚子(いしい なおこ)

  昭和53年1月 東京都生まれ
  平成13年3月 東京大学法学部卒業
  平成14年10月 司法試験合格
  平成15年4月 司法研修所入所(57期)
  平成16年10月 弁護士登録(第二東京弁護士会)
  現在、栄枝総合法律事務所勤務

同テーマの記事を見る 3つのコンテンツから検索ができます!

このページの先頭へ

このページの先頭へ