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中小企業再生支援協議会

テーマ:事業承継・再生・廃業

2005年2月10日

解説者

弁護士 壇俊光

1 始めに

先日、上場企業の財務が改善したという記事を新聞で目にしたが、中小企業では、財務状況に余裕があるというのは、かなりまれなのではないでしょうか。
ところが中小企業というのは抱えている課題は多種多様で、事業に地域性が反映されている場合もかなりあり、企業再生と一口に言っても一筋縄ではいかないのが現状です。
企業再生というと、一般的には、民事再生等の法的整理手続きが有名ですが、法的整理までは至らない程度の経営上の問題を抱えている企業は多数あって、そのような企業については、法的整理では無しに経営上の問題点を解決して早期に企業再生を図る手法が必要とされてきました。
このような、法的整理によらない再生手法については、最近、大手流通業者が利用するかどうかで、銀行との間で交渉経緯が問題になった産業再生機構が有名ですが、これは、主に大企業を対象にしたものです。中小企業を対象に法的整理によらない企業再生を目指すのが中小企業再生支援協議会です。
なお、私は、生まれ育った大阪の中小企業の役に立ちたいとの思いから、弁護士として大阪府中小企業再生支援協議会のプロジェクトチームに参加しております。


2 中小企業再生支援協議会とは

中小企業再生支援協議会は、中小企業の再生支援を進めるために、産業活力再生特別措置法に基づき各都道府県に設置されています。各都道府県の商工会議所が設置主体となっていることが多いです。
中小企業再生支援協議会の連絡先(中小企業庁のホームページ)
支援対象は、経営上の問題を抱えているが再生の可能性が高く、企業再生に意欲を持っている中小企業であり、多様性、地域性といった中小企業の特性をふまえて、相談・助言や再生計画策定の支援を行っています。


3 中小企業再生支援協議会の特長

中小企業再生協議会は、関係機関と連携を図りながら公正中立な立場で関係者の調整を行います。政府系金融機関や信用保証協会等の他の期間とも連携して関係者を調整して関係者間の調整などを行います。企業再建資金(中小企業金融公庫etc)を利用し融資を行うことや資金繰り円滑化借換え保証制度(信用保証協会)等が例としてあげられています。
事業面や財務面での改善を図るために、個々の企業の特性にあった、きめ細やかな支援を行います。必要に応じて中小企業診断士や公認会計士、税理士等が企業診断を行うこともあり、中小企業者の特性にあった実現性の高い支援策を提示しています。
中小企業再生支援協議会の策定した再生計画については、貸出条件緩和債権の卒業基準について産業再生機構が買取を決定した債権に係る債務者の事業再生計画と原則同様に扱われたり(但し、金融監督当局の判断が必要です)、債権者としても債務免除について損金算入が可能になる場合が多く(税務当局の判断が必要です。)、種々のメリットがあります。再生計画については、金融機関や企業が主体になっておこなうこともありますが、当事者が策定する場合については、債権回収に重きを置きすぎたり、あるいは、企業努力が不足する可能性が考えられますが、中小企業再生支援協議会は第三者的な立場から専門家による合理的な再生計画が策定します。私の経験から言うと、中小企業再生支援協議会が策定した再生計画は、債権者、企業の双方にとって相当な努力を求めることになると思いますが、それ故に、合理的な企業再生が可能となるのです。


4 支援事業の流れ〜大阪の事案を元に

中小企業再生支援協議会の業務は、主として(1)窓口での相談受付・アドバイス、(2)関係機関の紹介、(3)再生計画策定支援です。業務の流れは、1次段階対応と2次段階対応に分けられています。
1次段階対応は、窓口相談と面談です。面談では事業内容等のヒアリングを行い最適の支援施策をアドバイス、エキスパートの派遣、関係機関の連携などを行います。その中で再生計画策定による再生が相当であると判断された場合については2次段階対応となります。ここでは、弁護士や公認会計士などの専門家チームが結成されます。そのうえで、財務分析やメインバンクのヒアリングなどを経て、再生計画を策定し、バンクミーティングを開催して支援の要請を行います。債権者の了承が得られた再生計画については進捗状況のフォロー等にも協力します。
これらの支援業務については、相談者の企業名等を明らかにすることは無く、取引先の信用不安となることもありません。


5 企業危機の3段階

一般に企業危機には(1)競争優位の消滅等の「戦略上の危機」、(2)財務業績上の悪化に至る「収益上の危機」、(3)資金繰りが悪化する「キャッシュフローの危機」に分けられますが、中小企業再生支援協議会が対応するのは、基本的に(2)となります。
しかしながら、中小企業の企業主の多くは、(2)の時点では銀行からの借り入れに頼ることが多く積極的な企業再生の着手に至ることは少ないのが現状です。企業再生は早期に着手するほど可能性が高くなるのです。


(2005年2月執筆)


壇俊光 (ダントシミツ)
出身地 大阪
資格  弁護士 大阪弁護士会所属
役職  大阪弁護士会消費者保護委員会会員
     大阪弁護士会図書情報処理委員会会員
     大阪弁護士会犯罪被害者支援委員会会員
     法情報ネットワーク法学会会員
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