本文とサイドメニューへジャンプするためのナビゲーションスキップです。

トップページ  >  経営をよくする  >  法律コラム

特集一覧 中小企業に役立つ記事や施策をトピックスごとにまとめています。

個人情報保護法がやってくる! 前編

テーマ:企業統制・リスク管理

2005年3月17日

解説者

弁護士 小川義龍

1,4月1日施行!

来る4月1日から、個人情報保護法が施行される。
法律自体は昨年の5月に国会で成立して公布されている。このためか、昨年あたりから個人情報保護は、ネットワーク社会におけるキーワードの一つという位置づけになっている。猫も杓子も個人情報保護である。
しかし、実際にあと数日で施行されるという個人情報保護であるが、その法律の中身が具体的にわかっている人は少ないだろう。「個人の情報を保護しなきゃいけないっていう法律でしょ?」という程度にわかっている人が殆どのはずだ。
これはわかっているとはいわない。「そのまんま」だ。
今回は、旬な話題、しかもコーポレート・ガバナンス上、極めて重要と思われるため、個人情報保護法の概説を2回にわたってお送りしよう。なお、従前の拙稿同様、正確性よりも分かり易さに重きを置いているので、正確な知識を得るには拙稿では役不足であることにご留意願いたい。


2,一言でいうと・・・

さて、敢えてわたし流に一言で説明すると、個人情報保護法とは、「個人情報の収集や確保を、ちゃんとしときなさいよ」という法律だ。
個人情報保護というと、とかく「情報の漏洩」に目が向きがちだ。確かに、ネットワーク社会において、むやみに個人情報が漏洩すると面倒なことになる。
P2P技術の隆盛によって、あっという間に全世界で不本意な情報が共有されかねない。ネットワーク社会以前でも、邪な名簿業者による名簿販売などによって迷惑なDMや勧誘に辟易した向きは多かろう。だから、「保護」などと銘打たれると、個人情報を漏らさないように、個人情報は集めないように、保持しないように、という観点で個人情報保護法が制定されたと考えやすいが、それは誤りだ。
個人情報が漏洩することは避けなければならない一方で、企業活動にとって個人情報を収集・確保することは絶対に必須であり有益だという観点は、この法律の大前提になっている。つまり、この法律は、漏洩したら大変だから個人情報を規制(保護)しようという法律ではなくて、個人情報は有益で大いに集めたいからその利用方法をちゃんとしておこうという法律なのだ。喩えて言い換えれば、「この薬は使用上の注意を正しく守ってお使い下さい」というのと同じこと。決して個人情報が麻薬のように取り締まられるものではなく、今後ますます使用されることを見越して有益な特効薬の使用上の注意を定めたものと捉える必要がある。


3,個人情報保護法の適用範囲(1)・・・「個人情報」とは?

「個人情報」とは、生きている本人を特定できるあらゆる情報、をいう。
本人が特定できなければならないから、客観的に何を意味するのかわからない数字や文字の羅列は個人情報とはいわない。しかし、暗号化されて一見何を意味するのかわからなくても、それが本人を特定できる情報を含む以上は個人情報になる。数字や文字という形態でなく、音声とか映像でも個人情報になる。
したがって、生きている本人を特定できる情報であれば、個人情報ではない情報を探す方が難しい。大抵の情報は個人情報になるのだ。代表的な個人情報として、住所・氏名・生年月日等がある。イメージしやすい個人情報だろう。しかしそれらを越えて、例えば、入館者を管理しているビル内の防犯カメラに写った記録映像だとか、顧客との電話を録音したテープ音声なども個人情報になる。要注意だ。
もう少し具体的にお話ししてみよう。
例えば、メールアドレスも一般的には個人情報になるが、「y.ogawa@xxcorp.or.jp」というようにドメインから所属会社が判明し、サブドメインに氏名が書かれているような形態であれば、メールアドレスそのものが個人情報だと言っていい。逆に、「ogawa@hotmail.com」というようにドメインは汎用の無料メールアドレスであり、サブドメインもありがちな氏名が書かれた程度では、メールアドレスそのもので個人情報といえない可能性がある。特定の個人が識別できないからだ。したがって、このメールアドレスが誰の利用しているものかという情報と相まって個人情報と評価される場合が出てこよう。
いずれにせよ、普通に考える以上に個人情報の範囲は広いと考えておこう。


(2005年3月執筆)


小川義龍
昭和39年生  東京都出身
東京都千代田区立番町小、同区立麹町中卒
早稲田大学高等学院卒(昭和58年)
早稲田大学法学部卒(昭和62年)
司法試験合格(平成3年)
最高裁判所 司法研修所 46期修了
弁護士登録(東京弁護士会所属)

東京弁護士会
常議員(平成7年度)
広報室 嘱託(平成13年度〜)
広報委員会 副委員長(平成9、10年度)
広告調査委員会 副委員長(平成13年度)
インターネット協議会 副議長(平成9年度)
業務改革委員会 コンピュータ部会長(平成12年度〜)
司法修習委員会、財務委員会、刑事弁護委員会 各委員
法友全期会副代表幹事(平成14年度)
春秋会(法友8部)事務局長(平成15年度)

 東京商工会議所 法律相談員(平成9年度・荒川支部)
 東京弁護士会 クレサラ・商工ローン闇金相談担当(四谷・神田センター)
 財団法人クレジットカウンセリング協会 カウンセラー(平成11年度〜)
 財団法人法律扶助協会新宿支部審査員(平成12年度〜)
 日本弁護士連合会 法務研究財団事務局(情報部会担当)
 早稲田経営学院(Wセミナー)専任講師(刑事訴訟法)
 日本刑事政策研究会(法務省)正会員
 東京弁護士会インターネット法律研究部部会員

著書・講演等
 「法律事務所のためのパソコン導入大作戦」(株式会社トール刊)
 「弁護士のための広告のススメ」(株式会社トール刊)
 「弁護士のためのパソコン導入ガイド」(東京弁護士会法友会刊)
 「パソコン事件簿」(月刊DOS/V Special連載・毎日コミュニケーションズ)
 「最新現代法務全集」第4巻・債権回収(全日法規研究室)
 「困ったときにすぐわかる 内容証明の書き方・出し方」(OS出版)
 「困ったときにすぐわかる インターネットの法律(仮題)」(近刊予定)
 「中小企業のための倒産回避マニュアル(仮題)」(近刊予定)

 「破産と会社更生手続の概要」
   ※厚生労働省 労働研修所での講義(平成14年度より)
 「法律の基礎」 「コンプライアンス」 「借地借家法」 「インターネット法務」
   ※いずれも大手上場企業での定期公演
 「若者の破産」 「非弁提携弁護士被害」その他
   ※フジTV「スーパーニュース」出演

同テーマの記事を見る 3つのコンテンツから検索ができます!

このページの先頭へ

このページの先頭へ