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インターネット消費者取引の問題点(6)ドロップシッピングについて

テーマ:自社HP・eコマース

2012年6月28日

解説者

弁護士 高橋弘泰

【ドロップシッピングとは】

 ドロップシッピングとは、インターネット上に開設された電子商取引サイトを通じて消費者が商品を購入するビジネスモデルの一形態ですが、その電子商取引サイトの運営者は販売する商品の在庫を持ったり配送を行ったりすることをせず、在庫は商品の製造元や卸元等が持ち、発送も行うところに特徴があります(以下、ドロップシッピングのビジネスモデルを採用する電子商取引サイトを「ドロップシッピングショップ」と、ドロップシッピングショップの運営者を「ドロップシッパー」といいます)。


 ドロップシッピングショップに消費者からの注文があった場合、注文情報がドロップシッピングショップから注文された商品の製造元・卸元に送信され、注文情報を受けた製造元・卸元は、注文を行った消費者にドロップシッピングサイト名義で商品を発送します(ドロップシッピングサービスプロバイダーの名義で発送される場合などもあります)。


 また、ドロップシッパーと商品の製造元・卸元との間を仲介してドロップシッピングを実現する各種サービス(ドロップシッピングショップの開設に必要なショッピングカート機能、決済機能、口コミ機能や商品データベース等)を提供する事業者(ドロップシッピングサービスプロバイダー。以下「DSP」といいます)が存在します。それらDSPが提供するサービスにより、ドロップシッピングショップを構築する技術力や商品の仕入ルートを持たない個人等も容易にドロップシッピングショップを開設することが可能となっています。


 DSPが仲介する場合の物流、商流を例示すると、以下のとおりです(これは一例であって、DSPが仲介する場合の物流、商流が全て例示のとおりとなっているものではありません)。


  1. 1.ドロップシッパーは、ドロップシッピングショップで販売する商品を自ら選択し、その商品の価格を自ら決定した上で、消費者からの注文を受ける。
  2. 2.消費者がドロップシッピングショップで商品を購入した際の注文情報はDSPを通じて商品の製造元・卸元に伝送される。
  3. 3.注文情報を受けた商品の製造元・卸元は、ドロップシッピングショップの名義で商品を消費者に発送する。
  4. 4.DSPは、自らが提供する決裁システムを通じて消費者から商品の代金を受け取り、代金とDSPがドロップシッピングサイトに商品を提供する価格(ドロップシッピングサイトにとっての仕入れ値に相当)との差額を報酬としてドロップシッパーに支払う。
  5. 5.DSPは商品の製造元・卸元に商品の代金を支払う。

【景品表示法上の問題点】

 ドロップシッパーは、仮に個人であったとしても、景品表示法に定める「事業者」に当たると考えられます。このことから、ドロップシッピングショップで販売される商品についての表示により、商品の内容又は取引条件について、実際のもの又は競争事業者に係るものよりも著しく優良又は有利であると一般消費者に誤認される場合には、景品表示法上の不当表示として問題となり、ドロップシッパーは事業者として責任を負うことになります。


【問題となる事例】

  1. ・ドロップシッピングショップにおいて、十分な根拠がないにもかかわらず、「血液サラサラ」、「記憶力アップ」、「免疫力アップ」、「老化を防止する」と効能・効果を強調して表示すること。
  2. ・ドロップシッピングサイトにおいて、最近相当期間に販売された実績のある価格ではないにもかかわらず、「通常価格」と称する比較対照価格を用いて、「通常7,140円→特別価格3,129円」と表示すること。

【景品表示法上の留意事項】

  1. 1.ドロップシッパーは、ドロップシッピングショップで商品を供給するに際しては、その商品の内容について、客観的事実に基づき正確かつ明瞭に表示する必要があります。
  2. 2.ドロップシッパーは、ドロップシッピングショップで商品の効能・効果を標ぼうする場合には、十分な根拠なく効能・効果があるかのように一般消費者に誤認される表示を行ってはいけません。
  3. 3.ドロップシッパーは、ドロップシッピングショップで二重価格表示を行う場合には、最近相当期間に販売された実績のある同一商品・サービスの価格を比較対照価格に用いるか、比較対照価格がどのような価格であるかを具体的に表示する必要があります。
  4. 4.製造元・卸元、又はDSPのうち製造元・卸元の機能を兼ねる者は、ドロップシッパーに対して商品を供給する場合であって、販売促進のためのノウハウ等の情報を提供すること等により、ドロップシッパーが一般消費者に示す表示内容の決定に関与するときには、十分な根拠無く効能・効果があるかのように一般消費者に誤認される表示など、景品表示法に違反する表示が行われないようにしなければなりません。


氏名:高橋弘泰

生年:1970年生

弁護士登録年・弁護士会:
2009年弁護士登録、第二東京弁護士会所属

学歴:
1994年東京大学法学部卒業

得意分野等:
東京都に勤務の後、大宮法科大学院に入学し、法曹を目指す。行政事件、刑事事件など公益的な活動に力を入れる一方、民事分野でも敷居が低く利用しやすいと同時に、内容的には決して妥協しない良質な法的サービスの提供に努めていきたいと思います。

所属事務所:
法律事務所フロンティア・ロー http://frontier-omiya.jp/index.html

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